九十九の複眼【詩集】

勇気

勇気を出して手を伸ばすことが

１番いいことだって思ってた

ムズカシイことを

少しだけ楽にしてあげられるから

みんな笑顔で喜んでくれた

私はそれが嬉しくて

また手を伸ばしてあげようと

周りを見回して

そして…貴方を見つけたんだ

いつもと同じように手を伸ばしたけれど

貴方はみんなとは違った

怒った

怒って…また始めからやり直したんだ

そんな姿を見て

私は少しムッとした

でもスグにそんな気持ちもなくなったんだ

出来た時の…貴方の表情をみちゃったから

誇らしげにニッと笑った貴方は

妙に大人っぽくて

嬉しそうで…

私がいままで手を伸ばしてきた誰よりも

私を嬉しくさせたんだ

いま私の横に

あの時の貴方くらいの子がいる

危なっかしいけど

貴方が教えてくれたこと…守ってるよ

やりとげさせてる

この子も…貴方と同じように笑うの

貴方はいまどうしているのかな？

きっと私に教えてくれたことを

他の人にも伝えてるんだろうね

ハラハラして見る人の

“見守るという勇気”を