第5話 思ったより弱くね?

やっとの思いでスライムを討伐することができた。スライムでこんなに苦戦しているようだと今後が心配である。

いったん町まで戻り依頼を達成しよう。あと、スライムの一般的な倒し方を教えてもらおう、このままだと命が何個あっても足りない。


ギルドまで戻り、依頼の報告を済ませる。ついでに受付の人にスライムについて聞いておこう。

「すみません、スライムについて聞きたいことがあるんですが、スライムってどのように倒すものなんですか?」

「ス、スライムですか?そうですね、スライムは打撃や斬撃に対して少しは耐性があるので魔法で倒すのが一番楽ですね」

やっぱり魔法で倒すのが楽なんだ、そこは正解できていた。しかし、少し耐性があるってところに引っかかる。

「それでは、剣士とかが倒すのは一苦労なんですかね?」

「いえ、耐性があると言ってもスライムですからね、何度か攻撃すると砕けてしまうので苦労するほどではないですね。」

えっ、そんなに俺は力がないのか。今まで自分のことは凡人だと思っていたが、この世界では相当弱いほうになるのか。


少し落ち込んでいるのが顔に出ていたのか、受付の人が心配そうに声をかけてくる。

「どうされたのですか?あなたのステータスなら剣でも十分に倒せると思うのですが」

「それがですね、一回短剣で攻撃したんですが、まったくダメージが入っている感触がなくて。」

「おかしいですね、先ほども言ったように、あなたの攻撃力なら十分だと思うのですが。すみません、カードを見せてもらってもよろしいですか?」

カードは討伐モンスターの名前を確認することができるようで、受付の人は確認しているようだ。


「あっ」

受付の人が驚き、少し声を出していた。

「あのですね、ユートさんが先ほど倒されたのは、普通のスライムではなくてですね、アシットスライムという変異種ですね。アシットスライムは打撃や斬撃に対しては耐性が強く、魔法でしか倒せないんです。あと、消化液は鉄も溶かしてしまうくらい強力なものなんですよ。」

「中級の冒険者であれば、余裕で倒すことはできますが、新人冒険者で倒すのはなかなか難しいと思います。ですので、ユートさんは結構すごいことをやったと思います!」

なんか褒められている。現世では褒められるなんてことはほとんどなかったため、なかなか照れてしまう。

てか、はじめっからそんなやばいやつと戦ってたんかい。よく生きてたわ。自尊心を少し回復させギルドを後にする。

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