プール

 いよいよプールへと出発でっぱつ。まずはメインであるウォーターパークへ。巨大なプールにスライダーが3つ、辺りでは楽し気な声や叫び声が響き渡ります。

 平日の金曜日だけど、思った以上にお客さんは多い。やっぱ金曜日に有給取って家族旅行のパターンが多いのか、家族連ればかりだなあ。後は大学生くらいのカップルとか地元の人っぽい熟年夫婦とか。どう見てもウォータースライダーを滑りにわざわざ一人でやってくる異常成人男性の姿は見えなかった……。

 

 そんな孤独感を吹き飛ばすべく、即座にウォータースライダーへ!!!

 一人でデカプールや流れるプール入っても何も楽しくないし、子供用プールに近づいた時にはその時点でハワイアンズ出禁まであるので、とっとと目的を果たしていくぞ!!!!


 ウォーターパークにあったウォータースライダーは3種類。これらと日本最大のボディスライダーの乗り放題のチケット(2700円)を購入し、幾度となく滑り続けてきました。それらの感想をまとめて行こうと思います。


・カプアニ・フォール

 いわゆるウォータースライダーと言われて思い浮かべるような上の開いた滑り台のような形状のスライダー。これは完全に初心者向けだね。スピードもそれほど出ず、高低差もそこまででは無いため、初めてのウォータースライダー体験としてちょうどいい。逆に言うと、俺くらいになったら物足りないかな。実際に乗ってる人も一番少なかった所あるし、俺も一度しか乗らなかった。けど、普通に最後の着地ミスって鼻に水ぶち込んでしまったので油断するとイカれます。


・ラキ・リバー

 浮き輪に乗るタイプのスライダー。これも初心者向けかな。坂を下っては中継地点でプカプカ浮いて、そっからまた坂を滑り落ちる、これを4回繰り返し。そこまで高低差無し。割とゆったり乗れるタイプで嫌いでは無いんだけど、中継地点でそのまま乗ってるとなかなか次の坂を滑ることが出来ず、どうしても中継地点で一回浮き輪から降りて歩く羽目になっちゃってた。これも結局一度しか乗らなかったなあ。


・マウナ・ブラック

 これも浮き輪に乗るタイプのスライダー。けど、こっちはスリルが段違い!!! 

 ウォーターパークで一番高い所から一気に加速し、まずは暗闇のトンネルへと突入!! 全く見えないトンネルの中でどこをどう曲がるか初見では全く分からないまま滑り続け、いきなり視界が明るくなったかと思ったら、そこがコース内で一番の高低差があるポイントであり、絶叫ポイント!!! そのまま二度目のトンネルに突入してうねり狂ってフィニッシュ!!!!!

 これは文句なしに面白かったなあ。一番人気で、これだけは自分の番が来るまで行列を並ぶ羽目になってた。8回は乗ったな。流石にそれだけ乗ってるとコースも覚えてくるけど、それでも面白かった。


 3つ乗ったところで、残り一つの日本最大のスライダーはまた別の場所にあるのを確認したので移動。エステや大きなホールを水着のまま歩くのは何だか不思議のようなでも周りの人も歩いてるから普通のような不思議な気分。


・ビッグアロハ

 さて、いよいよやってきました。今回の旅の目的地。日本最大のボディスライダーことビッグアロハ。

 まず凄いよね。何が凄いかって、乗り場まで6階くらいの階段を上らなきゃならない。何しろ途中に二か所給水機があるからね。出来たばかりの頃は行列があったんだろうなって言う「ここまでで120分待ち」みたいな看板が貼ってあるし、こりゃ期待と不安が膨らんできますわ!!

 乗り場まで来ると案内のお姉さんから2つのコースを選べるとのこと。

 スパイラルとウェーブ。

 話によると、チューブ内の模様が違うらしく、まずはスパイラルへ。

 身体を起こさないことと、鼻をつまむことをを念頭に話された所でレディーゴー!!!!




 その後の数十秒間、俺は死んでいました。





 マウナ・ブラックとは比較にならない速度へと一瞬で加速すると、狭く暗くただただ速度だけが存在する世界へと俺は流されていきました。圧倒的なGにより頭は押さえつけられ、上下左右どこを滑っているのか全く定かではなく、途中何度も真下に落下しているのではとさえ錯覚する空間に、次第に7色に光る螺旋模様が浮かび上がります。それがまたこの世の光景とは思えず、俺は今死んでいる最中なんだと思いさえした。人間は死んだらバグったレインボーロードを通ってどこかに行くんだな。

 たかだか数十秒の間に三半規管が完全に破壊され、いつこれが終わるのか分からずひたすら耐えて、ある時突然、それは終わりを迎えます。

 急な落水。何が起こったのかその瞬間分からず、手足をバタバタさせてパニックになっているうちに、いつの間にか足が付き、そこが1メートルに満たない深さのプールであることを知ります。そのまま辺りを見回し、プールを出ると、直後にあった足湯に入りました。

 そして、茫然自失となった俺はしばらくその場から動けませんでした。

 いやぁ、敗北だよ。敗北。ウォータースライダーに乗った感想が敗北て(笑) 人間がアトラクションに敗北するなんてことあるんだろうな。とにかくその場から動けなくなっちゃったくらいには初めての凄いとてつもなき経験だったな~。

 10分くらい足湯に入って「はぁ……」とため息をつき続け、ようやく出て歩いたけど、連続で乗る元気は何もなく……。初回から二回目乗るまでに1時間かかっちゃった。

 でもね、二回目はやっぱ勝手が分かったので、少なくとも真下に落下してる感覚は無かったな~。とは言えめちゃくちゃ早くてヤバくて怖いのは変わりないし、4回乗って4回ともゴールで溺れたからね。あれを慣れるようになったらいよいよもって世界最強を名乗りましょう、ウォータースライダー界の。


 と言う感じで合計14回、約3時間弱はウォータースライダーで時間を潰したな~~!!!

 ……なに? あれだけウォータースライダーを好き好き言ってるくせにたかだか3時間しか乗ってないだって????

 

 あのねぇ、ウォータースライダーくんはねぇ、基本的に高い所から低い所に滑り降りるでしょ。だから、乗り場までひたすら階段を上る必要があるわけ!! マジでそれが一番疲れるせいで、体力の限界が他よりも早いんだよね。しかも体調微妙だったし。

 と言うのもあってか、ジェットコースターとかは年齢重ねても乗れるけど、ウォータースライダーは体力が無いと何往復も出来ないので、ぶっちゃけ若いうちに乗りに行くべきだね。ガキが育ってから乗りにいくじゃ遅い遅い!!! 今すぐ乗りに行こうぜ!!!!


 その後は併設の温泉へ。温泉は普通のスパ銭的で、そこまで違いが分からないので、サクっとサウナを3セットキメておきました。

 いよいよ夕食の時間です。

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