平穏を望む剣術名家の悪役貴族〜史上最高の魔法の才を持った悪役キャラに転生したので、推しのメイドとの穏やかな生活を送るために最強になる〜
あおぞら@書籍9月3日発売
第1章 ストーリー開始前
第1話 悪役貴族に転生&推しとの出会いですよ
「——————はっ!?」
俺は突然意識を取り戻した。
続いて――
「え!? 何じゃこりゃああああああああ!?」
目の前にある鏡に写っている少年を見て驚きの声を上げる。
鏡に写っているのは、まだ幼いが俺の顔とは思えない程の超絶イケメンで、髪は白、瞳は片方が白……これは銀かな?
兎に角色彩の薄い透明な瞳で、もう片方は碧眼。
身長はまだ100センチあるかないか位に見える。
「…………いや誰!? 俺はこんな顔じゃなかった気がするぞ!?」
俺は自分の顔や体を隈無く触る。
しかし自分が触った所と同じ所を鏡の中の少年も触っていた。
どうやら目の前の鏡は虚構を写している訳ではないらしい。
「なら、これが俺……? こんなイケメンが……?」
未だに信じられず顔を何度もペタペタ触っていると、『ダダダダッ!』と人の足跡が聞こえたかと思ったら、メイド服を着た美女が俺の部屋……なのかは知らないが慌ただしく入ってきた。
「どうなさいましたかジン様!?」
ジン様……?
どっかで聞いた事ある名前だ……な……って———
「あああああああ!!」
「どうなさいましたかジン様!?」
見覚えのあるメイド服の美女が俺に駆け寄ってくるが、俺はそんな事など全く気付いていなかった。
と言うよりもそんな事気にしている状況ではなかったからだ。
マジかよ……コイツ、バリバリの悪役じゃん!
何ならラスボス級の悪役じゃん!
潜在能力は高いのにやらかし過ぎて破滅フラグ多過ぎの悪役じゃん!!
「何でこんな奴なんだよおおおおおおお!!」
俺の叫びにメイドは珍しくオロオロとしていた。
「ジン様、落ち着きましたか? 此方は最高級の紅茶です。ジン様の好きなミルクティーにしておきました」
「あ、ありが———う、うむ」
俺はメイドの女性———メアが入れてくれた、この世で最も価値のある紅茶を震える手を抑えながら口に持ってくる。
ガタガタガタガタッ!!
「大丈夫ですかジン様?」
「も、も、勿論大丈夫だ……ぞ?」
俺が緊張の余り紅茶を溢してしまい、メアが表情こそ変わらないものの、心配そうに俺の服についた紅茶を必死に拭う。
そうすれば必然的にお互いの距離はグッと近づくわけだ。
あばばばばば近い近い近い近いッッ!!
推しが近くにいるとか緊張で心臓が10回は破裂してしまうぞ!
メアは悪役貴族ジンの専属メイドで、俺のゲームプレイ時代の唯一の推しだ。
エルフ族のせいか胸はそこまでないが、すらっとした長い足は大変美しい。
外見だけでなく、どんな時も冷静でクール。
更には一度忠義を誓えば如何なる時でも尽くす健気な性格である。
その性格のせいでメアはどんな時でも悪役であるジンに味方し、ジンと同じくラスボスとなり主人公に仇なす存在となってしまい、命を落とす事となってしまった。
だがその分ジンもメアを気に入っていたため、世界で唯一彼女の事は好いていた……らしい。
後に出た設定集に書いてあったので間違いないと思うが。
ゲームではメアは死んでしまったが、今世で俺がジンになったからには絶対に死なせはしない。
と言うか彼女の命は、俺の命1000個分よりも価値がある。
って言うかまずはこの状況をどうにかしなければ!
マジで心臓が破裂してしまう!
「だ、だだだ大丈夫だぞメア! だから離れてくれ!!」
「ですがジン様の世話をするのが私の仕事。早くその手を退けてください」
「それくらい自分で出来るわ! と言うか出来るのでやめてくだ———コホンッ、自分でやるから止めろ」
「………分かりました」
やっと観念したのか俺から離れてくれた。
ふぅ……危なかった……マジでドキドキ死する所だった……。
俺は必死にドキドキと高鳴る心臓を抑える。
そして冷静になると同時に現在、しなければならないことが見えてきた。
まずは現時点での時期や人間関係を知らないとな。
俺は換えの服を探してきているメアに色々と聞くことにした。
緊張で聞けるかは分からないが。
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最近悪役貴族転生多いですよねー。
俺も好きなんだけど。
と言う事で俺も書いてみました。
是非☆☆☆とフォローよろしくお願いします!!
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