医師は夢を見ていた。暗い闇のような、見たこのある場所を。そう、ここは・・・

「あのゲームの世界？」

ここは、暗く、変わり果てたあの世界だった。視線を動かすと、遠くから黒い何かが迫ってきた。それは、医師を簡単に飲み込んだ。そして、それがリアルでの目覚めになった。

「・・・・ぅぅう、ぁあぁぁぁあ！！！」

（何だった、今の夢？は）

医師が見た夢は普通の夢とは違い、意識が覚醒しても脳に残ってしまうほどのものだった。

出勤の支度を済ませ、少し時間に余裕が出来た。早速改変されたゲームへとログインした。やはり、あの警告のように中ではゲームが動き続けていた。

「これ、動き続けて何か意味があるのか？」（・・・多分これは、そこまで悪影響無いと思うけどな～）そんなことを考えている間に出勤時間となってしまった。

今は仕事の方を優先しなければ・・・。医師は胸に疑問ばかり並べながら出勤先の病院に向かった。

仕事を終え、家に帰宅した医師は後片付けを済ませ、夕飯を食べ、お風呂に入った。

その後ゲームにログイン。画面がホーム画面に切り替わった。ふと、プレゼント欄に目をやった。そこには、『本日の歩数に沿った石配布　石→？？？個』というのがあった。石配布の量は倍率でいうと歩いた歩数の百分の一の量が貰えるらしい。

「・・・めちゃくちゃ歩かないといけないのか。・・・待てよ？ログアウト制度が無くなったのって、歩数を計測しているから？」

そう考えると、合っているような気がする。もしそうだとすると、スマホに運動記録機能が付いているから、ゲームがそれにシステム的に繋がっていると歩数計測が可能だ。言い換えれば【現実に干渉することが可能】ということになる。となると、まるで【現実（リアル）とのリンク】をしているようだ。

「誰だ。そこまで悪影響無いとか言っていたやつは？（医師自身）けど、三つともこのような形で繋がっていたのかよ」

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