第33話 「プシュパ 覚醒」


 はいこんにちは。

 今回のインド映画のご紹介はこちら。

 前回もご紹介した「熱風!! 南インド映画の世界」というイベントで上映されていた作品のひとつです。

 すでに円盤などで拝見していた「マガディーラ」と「ヤマドンガ」ももちろん大画面で観たかったのですがうまく時間が合わず、未見のこちらを観に行くことにしまして。


 このイベントで出版されたというパンフレットには、なんといろんな俳優さんや監督、作曲家の先生方の親戚関係図まで載っているのですが、それではじめて、「プシュパ」の主演であるアッル・アルジュンさんと、「RRR」や「マガディーラ」のチャランさんとが親戚関係であると知りました!

 チャランさんのお父様であるチランジーヴィさんの奥さんのお父さん、つまり義父にあたる方が、アルジュンさんのおじい様、ということらしいです。

 ええっとそれはつまりチャランさんから見て母方の従兄弟ってことよね?

 で、あってますよね??

 アルジュンさんから見るとチャランさんが父方の従兄弟ってことかな。


 さてさて。

 「プシュパ 覚醒」は、今回が日本で初めて公開された映画だそうです。つまりアッル・アルジュンさんが日本でのデビューを果たしたともいえるのだとか。

 2021年公開、テルグ語、178分の作品。

 監督と脚本は、すでにご紹介したチャランさん主演の「ランガスタラム」のスクマール監督です。


 冒頭は、いきなり「これは日本の結婚式」というナレーションとともに、日本を表現しているらしい景色と人々の3DCGアニメーションで始まります(このシーンは公開当初はなかったものらしいですが)。

「いきなり何!?」と思ってるうちに、そこに出てきた三味線に使われている高級な木材が「紅木」と呼ばれるもので、実はインドの奥地の森林地帯から運ばれてくるものだという説明につながっていきます。


 アッル・アルジュンが演じる主人公プシュパは、この紅木の密輸組織で働く下層労働者でした。実はとある男の妾(または愛人?)の子であったために、父親から姓をもらうことができず、そのことでずっと異母兄弟たちから虐げられ、バカにされて生きてきたという心の傷を抱えている青年です。

 しかしプシュパは持ち前の頭の良さや度胸と腕っぷしの強さでもって、この虐げられた状態から絶対に抜け出して大物になってやろうと決意。

 そこから怒涛のような彼ののし上がるストーリーが展開されていきます。


 全体にものすごく男っぽく、かつ泥くさく、人間関係も濃密でドロドロしていて、「あ、本当だランガスタラムっぽい……!」と思う部分がそこかしこに。

 村の女性に一目ぼれして、少しコミカルなシーンやもちろんダンスシーンなどもあるにはあるのですが、全体的にとてもハードめで重い感じのする作品でした。

 あ、そうそう。「ランガスタラム」でも村の兄貴分カーシの役で出演されていた俳優さんが、警察官役ででてくるんですがまったく雰囲気が違う! ので、ぜひごらんいただきたく。

 後半に出てくる警視役のかた、はじめて観ましたがものすごい眼力と存在感で圧倒されました。ファハド・ファーシルというお名前らしいです。


 こちらの作品、実はまだ第一章ということで、まだ続編が予定されているらしく。警視役の人がプシュパに対してすごい執念を見せて終わっているので、今後も目が離せない展開まちがいなしです。

 

 とにかく、こちらもまた観て損はしない映画だと思いました。

 まだ機会がのこされているというかた、ぜひぜひ一度ごらんくださいませ。


 ドスティ!

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