第30話 森に入ったら
過ぎていく景色を見ながら馬車の中で溜息をついた。
子供の体と神経が恨めしい。
今朝の団長決定戦はガラさんに負けるとこだった。
命令権は向こうが言い出したんでどっちでも良いが昨日まで一太刀も届かなかった人に負けるのは癪に障る。物理的な筋力差はどうしようもないな。
そしてトロッコ、座席を含む上箱を前後左右にスライドさせるだけであんなに怖いとは思わなかった、最後はリサと抱き合って叫んでました!。
リリカが笑うので様子を見ていたら喜んでやがる、この!!。
遠くでセリアーヌさんが合図とばかりに叫んでる、偵察と言う自転車爆走競技、この足場の悪い道でよくもまあ、宙返りなんかもしてる。
リリカのスキルを聞いて思い当たることが見つかった、スキルは所持者の能力に関係なく発動するのに使いこなすには能力が要る。
リリカの場合、体術なんかは先を知っても結果は納得できる事しかない、腕が飛んできて殴られでもしない限りは体の範疇だ。
では銃はどうか?使い方、発火から射出のプロセス自体はスキルで分かったとして物理を知らない彼女の脳は処理を拒否るんじゃないか、そう思うと色々合点がいった。
じゃあ私の能力を持っている人ももっといるのかもしれない、ビバッ!、ライトノベル!!。
ここであのSF親父の顔が浮かんだ、何時ものようにSFについて熱く語るおっさんに映画を見た若者が珍しく食いついてる、星の戦争の最新版を見たようだった、曰くSFとは荒唐無稽な話を屁理屈と文才で絡め取ろうとするのがSFで絡めとられるのに喜びを感じるM気質がSFファンだと、曰く今ある技術の先を見つめて更なる進化を夢見る能天気さがSFファンだと。
どちらが言ったかは言わないただ思わず私が”なんだラノベじゃないか”と言ったら正座で一時間説教をくらった。二人に。
ブルルルヒン!
ナイトくんがオオカミに八つ当たりしてる、オオカミ三兄妹はどこ吹く風でついてくる。就いてきちゃった。
すでに体高一メートル弱あるが顔は未だ凛々しさよりも幼さが勝る、クリームさんによると少し離れたところに始めから居たんだそうだ、他には居なかったので、まあそういうことだろう、かなり痩せてるし。
ナイトくんはまあ自滅だ、帰ってきてからライナちゃんにフルシカトされている、そりゃあんな突っ走り方したらなぁ。
今日の馬車はダーウンとエジンちゃん親子、なごむ、あ、うんちした。
あれセリちゃんが手を振ってるグーで、警戒して進めか?。
「ジョイさんなんか見える?」
馬車から顔を出して監視台に声をかける。
「んーもうちょっとで岡の向こうが、ああ広場があるな、森の中じゃ貴重だ昼にしようぜ」
「それで合図を?」
「いや、馬車が一台あるけど親子連れであいつが話しかけてる」
「そっかじゃあ後ろに声かけてくる」
横で寝ているミレイヤちゃんを起こさないように外に出る。
マルキル家はゾルダンに常に圧をかけられていた様でいろいろ反応が過敏だ、今はリサさんにお願いしておこう。
後ろの屋台を引くキュリちゃんに挨拶をするとぶるぶる軽く挨拶してくれるこの子愛想がいいよな。
「もう少しで昼休憩しますよ」
業者席のパンテさんに声をかける。
「はい分かりました、リオナ、シャサ休憩だよ」
「ハーイ」
と言いながらシャサちゃんが顔を出す。
「ジャンケン、ポン」
「勝ちー!」
トロッコに並びにくそうで、つまらなさそうにしていたシャサちゃんにジャンケンを教えてからミニブーム、いきなりジャンケン。
五回勝ったらお願いを一つ聞くことになっている。
「あと二回だよー」
「タアン、ケンポ」
「うあ、また負けた」
シャサちゃんの顔の下からマミルちゃんが顔を出して嬉しそうにしている。これ結構いい訓練になってるな。
手を振りながら走って馬車に戻った。
「団長お疲れ様です」
馬車の業者台にいるガラさんが声をかける。
「ガラはダメだ」
「なんです?」
「怪我しそうじゃないか」
降りて行った私は速攻でひっ捕まった。
「いや出発前に話し合ったじゃないですか」
「やぁっぱ、だめ」
過保護か、まあいい、馬車の中は男の子が一人女の子が三人と女性が三人皆、疲れ切っている。
ユーラの市民でソウラ山脈の麓の村から逃れてきたらしい、時折ジーニアスの兵を見かけるようになって北隣のミレジに向かう予定だったとか。
昨日車軸が折れたところをオオカミに襲われ撃退したと安心したら馬が逃げていたらしい、此処まで馬車を手で動かしたけれど限界でまさに今から徒歩で向かおうと覚悟を決めたところだという。
ガウ
キュワン
「ひいっ」
あ、首輪位つけなきゃ。
「なんだって。なあ、オムルくん、なあ」
わかりました分かったからぎゅうってしないで、ねえ。
パンテさんが子供たちを下ろして屋台で来た道を戻っていく、軽くしようと荷物を隠してきたと聞いてデバスさんだけ乗せていくそうだ。その気になれば装甲車にもなるし大丈夫だろう。
馬車を見てみる、車軸が一本通っているタイプで真ん中で折れているが繋がっては要る、自然車輪はㇵの字になって車体にゴリゴリ当たる、重かったろう、マミルちゃん!!。
「タンケ、ンポ」
「ミュー」
危ない、勝った、油断も隙も無いな。
「まーけーたー」
ライカさんの方に走っていく、リオナさんが困ったように会釈するかるく手を振っておいた。
「穴掘れたよー」
リサさんに呼ばれたのでトイレを出していく、鎧を着てても入れるのを二つ、普通のを三つ、何時ものように・・・。
「なにーそれ!!」
「何にもなかった、無かったって」
「発見、新能力発見!連絡するのよ、報奨金よ!!」
「置いてくよ」
「「「ひぃっ」」」
シンクを出しながら時々振り向く、何かひそひそしてたのがびくっと前を向く三人、その向こうでナツフカさんとマリンカさんがお腹を押さえて震えている。淑女が出してはいけない音が漏れてる。
ストーブを出しながら振り向く、やっぱりひそひそやっててびくっとなる三人、ナツフカさんとマリンカさんが崩れ落ちた、酸素欠乏になりそうだからやめよう。
お茶とパン、サンドイッチとお餅を用意する、昨日から昼とおやつは適当になった理由は自分を含め晩御飯を沢山食べたいから。
リサとリリカ、ユリシア、ハニラシアちゃんが用意してくれる。
ユリシアさんがわざとお尻を振る、今朝見た光景を思い出してしまった。
念のために樋妻さんを覗くと丁度キスをしているところだった。
巫女の少女がしっとりとした動きで服を脱いでいくのを力で抑えて後ろから攻めだした。
白いお腹を鷲掴みされて動かないお尻を獣のように犯している。
「ひぃ」
最初辛そうだった彼女だったがすぐに表情が穏やかになり淫猥に唇が動き出す。
下半身が固く動き出したころに力任せに仰向けにする。
両足をわきに抱えてなおも攻めつづける、ゆれる柔玉を見つけて片手でもみだす。
右手はしっかりと太ももを抱き前後に攻めつづける。
ひときわ高い声を上げてのけぞった体を容赦なくいたぶる。
「ひっ、いい、だめっ、やぁ」
小さな悲鳴が小刻みに聞こえてやがて二人とも動かなくなった。
直ぐに違う女性が入ってきた、顔がすでに上気している、外で待っていたようだ。
スカートをたくし上げて息を荒げている樋妻さんに跨ると一気に腰を落とした。
終わっても臨戦状態の樋妻を迎えた少女が上を向いて甘い息を吐く。
張り詰めた乳房を自分で揉み、乳首を刺激しながら腰を激しく動かしていた。
いけない、素数、素数、19・23・29・31?。
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