第13話 魂奪の剣
あれからどれくらい時間が経ったんだ? 今は夕方か……日が落ちかけている。さっきは昼ぐらいの日の高さだった……4、5時間は経ったのか。奴らはまだ村にいるはずだ。戦闘後の略奪を、夜にかけて楽しむだろうからな。
「……連れ去られたか? だよな……でも夜までに戻れば」
あの森で戦った軍人崩れどもの指揮官は恐ろしいことばかり口走っていたが、バルムなんかとは違い、まともそうな男だった。あいつがナーリアを攫ったのなら、他の盗賊どもみたいに、すぐには
そして……宿に残してきたあの
だが、その前に自分の戦力をあらためて確認しよう。無闇に突っ込んでも、前回の二の舞だ。大人数相手にするには、俺はやはり【
「数時間であの怪我が全快か。体力や魔素とやらも回復してるっぽいし。やっぱりとんでもないスキルをもらったんだよな……この【回復促進】があれば、【気殺】も長時間発動できるだろうし……」
『魂石レイス』がスキル譲渡に合意……って。レイリス……こんなにすごいスキルをもらってしまって、よかったんだろうか。でも、これがなければ確実に死んでたよな……
『魂石レイス』……そういえば、レイリスの名前、『レイリス・レイス・ファラール』って言ってたな。魂石はミドルネームで表されるのか……?
……いや、思考が逸れた、今はいいか。
【回復促進(中)】による魔素回復量と【気殺】による魔素消費量のバランスはわからない。だがすぐには先ほどの〈魔素枯渇〉ような最悪な状態にはならないだろう。
「それに、俺には何と言ってもこの【
う、嘘だろっ……!?
慌てて俺は周りを見渡す。だが、ない……ないっ!! あれは俺の生命線だ! ヤバい! 逃げる時に捨ててきたのか!? あの時は必死すぎて何も覚えてない! 腰帯に刺していたレイリスから預かった剣だけは無くさず持っているが……
慌てて来た方向へ走り出そうとしたが、木の根に足を取られ派手に転倒した。
ドガッ!!…………
頭を木の幹に打ち付けて、意識が朦朧とする。
『あぁ……何やってんだ俺……相変わらず情けない……』
泣きそうになりながら仰向けになると、荘厳な雰囲気を持つ立派な大木が目に入る。しばらく何も考えられずにその樹を見上げていた。
『御神木……あっ……そう言えば【
俺は慌てて【
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【
・
・
・魂の束縛
・
・職(取得済):
【魂の回廊】
・職(取得可能):【剣士(30)】
・スキル(取得可能):【
=====================
【真魂再生】と同じく【
【
な、何にも起こらない……いや、落ち着け……
——あれは俺の【
……意味不明な言葉が頭に浮かぶが、今は……【
「……っ、よしっ!!」
ぐっと握りしめた右拳には……【
「ああ…よかった!!!」
俺はあまりの嬉しさに、【魂奪の剣】を抱きしめた。
「い、痛っ」
あ、当たり前だ、抜身の刀身ごと抱き締めたら怪我もするわ……
「さ、鞘はないのかな……」
ズシッと今度は左手に重さを感じる。お、おう……俺の左手にはこれまた漆黒の鞘が握られていた。
鞘口だけが金の装飾で縁取られ、余計な飾りは一切ない。その静かな漆黒が、かえって剣自体の荘厳さを際立たせている。
剣を鞘に収め、再度【
「よかった……お前なしじゃぁ俺は……」
一通り
……どこに?? まぁいい、考証は後だ。再度意識を向け、鞘ごと取り出す。何度かそれを繰り返し、今度は抜き身で取り出す。よしっ、コツはつかんだ。
「……素晴らしいじゃないか……まさに【フィルハーク専用】だ……」
奇妙な高揚感を感じるが、今は浮かれている場合じゃない……
戻ろう、村に。目的は定まった。後はやるだけだ。自分の情けなさと、それに向き合ってもなお、やり遂げるべき目的が定まったんだ。
自分の情けなさを再確認できた俺は、なぜか不思議と落ち着いて、来た道を戻って行くことが出来た。
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【あとがき】
古き良き異世界転生ものが好きで、書き始めちゃいました。お暇なときにでもフォローや『★★★』いただけると書き続けるモチベが爆上がりします! よろしくお願いします!
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