第11話 夜空は【共鳴】を覚えました
思えば、いじめ解決の時に芽生えたこのスキル。あれを一回目とするならば、二回目は発動したのはいつだったか。
…あ、思い出した。春休みの時だった。
数ヶ月前。
夜空はテレビで好きなアニメを観ていた。溜め込んでいたそのアニメを一気に消化しようとしていた。この時の夜空はすでに限界能力育成高校の合格をもらっていた。ということで暇を持て余していた。一つのタイトルを消化し切った時だっただろうか。ふと足元を見たらいつぞやの白い模様が浮き出ていた。
「!?」
え、嘘でしょ。なんかまた出てきたんだけど。これが出る条件って何なの。困惑した夜空はしばらくあたふたして、ふと脳裏にある風景が浮かんだ。それは学校について調べていた時だった。
「あ、もしかしたら…」
思い至ったすぐにスマホを取り出し、検索に夜空が行く限界能力育成高校を入力して、学校のサイトに入った。そしてそこから限界能力の詳細が書かれているデータファイルのリンクを見つけた。それをタップし、そのページに飛ぶ。ひと通り読んだ夜空は一つの確信を得た。
「僕のこれは、データとは少し違うかもだけど、限界能力だ…」
そう認識した瞬間、夜空に不思議な感覚が襲った。脳の中にいきなり何かの知識が流れ込んだきた。不思議な感覚が収まったのはそれから数分後。
「う〜、何だったの今の…」
辺りを見回すが特に変化は起こっていない。次に自分を観察したがこちらも変化無し。余計に謎である。ちなみに足元に出ていた模様はずっと出続けていた。それを見た夜空は無意識のうちに小声で口ずさんだ。
「【共鳴(レゾナンス)】」
すると、模様が夜空の声に応えるように発光した。
「うわっ!まさか今言ったのがこのスキルの名前なの?」
夜空は模様に話しかけるように言った。そして応えるようにまた発光。どうやら夜空のスキルの名前は【共鳴】と言うらしい。そして流れ込んできた時に得た知識は名前だけではない。スキル効果の知識も頭に入っていた。この【共鳴】の効果は…
【共鳴】は物語や神話に出てくる物、現象を再現出来るスキルのようだ。
なんか凄そう。それが夜空の真っ先に浮かんだ感想だった。
「僕はこれから、このスキルと共に学校生活をしていくのか」
(これからよろしく)
と、夜空は心の中でそう伝えた。
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