第2話 夜空、高校に入学する
一年前
「うおー! 高校受かったー!」
「嬉しいのは分かったから、もう少し静かにしてちょうだい」
「まぁ、でも合格おめでとう。これから頑張れ」
両親からも褒めてもらった。夜空が受験し受かった高校は、「限界能力育成高校」という学校だ。この学校、ほかの高校みたいに5教科のテスト。それと、この世界でよく知られている『限界能力(リミットスキル)』の実演テストがある。当然だが、中学の成績、その他すべてを総合し合格者が決まる。あと、この学校合格定員は設定されていない。聞いたところによると、人数が多くても「やる気・意欲」がある者はいくらでも教育するという暴論に近いようなことを言う学校らしいのだ。しかし、定員が設定されていなくても落ちる人は落ちるらしい。定員が無いからって全員受かるっていう保証はどこにもない。そのあたりは普通の学校だった。
夜空は両親とともに入学式の準備に取り掛かった。
入学式当日
夜空は自分の周りをグルっと見渡してみた。今年の入学者はざっと二百人は居そうだ。式の内容はこの高校について、校歌(どんな歌なんだろうか)や、クラス担任の発表(ちなみに夜空のクラスの担任はなんか厳つい男性の先生だった)。あとは校長先生の話を聞いた。当たり前のように話の内容は長かったが、入学式なのでしっかりと聞いておいた。
今日から夜空はこの学校の生徒になるのだ。
「気合を入れて頑張る!!」
握りこぶしを作りながら一人でつぶやいた。
それぞれが教室に移動した後。
自己紹介が始まった。各々自己紹介をしていった。ただし、夜空は人の名前を覚えるのが苦手で、話を聞いていてもよく分からなかった。そして、とうとう夜空の番が回ってきた。
(ふぅ~、いきなり緊張してきたよ~。どうしよ、出来るかな・・・)
内心冷や汗が流れてきた。そして何とか教卓までたどり着いた。
「初めまして。日光夜空です。苗字と名前で真逆の意味になっていますが気にしないで下さい。僕は、これからのスキルについて学ぶことを精一杯頑張っていこうと思います。特技とか趣味は特にありません。ありがとうございました。」
(危なかった~心臓バクバク鳴りまくって声が裏返るところだった・・・)
心臓バクバクしながら自席に戻る。その後も数人が自己紹介をしていき全員終わったところで狙ったかようなタイミングでチャイムが鳴った。自己紹介をした時の緊張が未だに残っていてほかの生徒の名前をほとんど覚えていなかったのだが。
これにて、今日の日程は終了。明日からは普通に授業だ。帰宅後、真っ先に明日の予定を確認した。なぜなら、初日から何かを忘れて、恥ずかしい思いをしたくない夜空だったからだ。
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