14時間目 車内アナウンスは何故、鼻声なの?

●先輩の車内アナウンスを踏襲している説


 マイクの性能が悪かった昔、声割れや電車が発する音を拾い聞

 き辛かった。そこで息を吐かずに声を出せる鼻声を誰かが始め

 それが良かったため継承された。長時間発声を続けていても喉

 を痛めず、疲労しない究極の職業用発声法という説。


●放送する機械の品質を考慮した説


 かつては電車で使っていた放送の機械は、雑音が入りやすかっ 

 たり低音が通りにくかった。高音やサ行は、耳障りな音として

 伝わりやすかった。声のトーンを上げるだけではなく、舌と歯

 が触れないように話すようになったため、特徴的な鼻声で車内

 放送するようになった。放送の機械の性能は良くなると呼吸音

 まで拾ってしまう。呼吸音が入ってしまうと聞き取りにくくな

 ってしまうため、マイクに息がかからないような向きで話しま

 す。また、普通の話し方にしてしまうとお客さん同士の会話と

 区別がつきにくくなるため、あえて“変声”でアナウンスして乗

 客の注意を喚起している説もあります。


 最近では、女性の車掌さんも増え、女性の場合は鼻にかかったような声で車内放送する人はほぼいません。多少似たような車内放送になっていたとしても、男性ほど特徴的ではないケースが多いです。男性と女性では発生方法の微妙な違いが、影響していると考えられます。


 イメージとしては大声で発する応援のような男性声の発声では喉を傷めやすく、女性のようにおしとやかに柔らかく話せば聞き取りにくい。そこで男性は口を開けずに鼻声で、女性は活舌をより強く大きな声で、が主流になってきているようです。

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