叱咤

のぞみ! あんた、何て事したん!?」


「だって……だって……!


 うち、もう、疲れた……。


 あの子を、育てられへん……!」


「だってもクソもあらへん!


 夢ちゃんは、生きてんねんで!?」


マンションの一室。


かなえは、望の両肩を掴み、彼女を真っぐに見据えた。


興奮して、素の関西弁が、丸出しになっている。


「ええか!? 年齢やとか、生活がどうやとか、


 そんなん、産まれて来る子供には、関係あらへん!


 産んだら、その時から、アンタは母親やろ!


 この……望の、意気地無し!」


「な……何さ……。 何さ……!


 お姉ちゃん……まだ独身で、子供、おらへんやん!


 自立してて、仕事もバリバリ出来て!


 何にも持ってへん、うちの気持ちなんか……


 お姉ちゃんには、分からへんわ!」


「ぐぅっ……!


 あ、あんた……」


「…………ご免……」


「はぁ……もう、ええわ。


 ウチも、言い過ぎた……」


「うん……」


「……で、その、


 あんたの、元彼の……


 夢ちゃんの、おんの、名前は……?」 

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