QBオンライン国試の効果的な演習法:6年生はランダム演習を中心に

 この文章は現役医学生向けに書いているので国試予備校メディックメディアが運営するQBオンライン(クエスチョン・バンク・オンライン)そのものについての説明は最低限に留めますが、簡単に言うとCBTの予想問題(※国試と異なりCBTの過去問は非公開とされています)や医師国家試験の過去問をパソコンやスマホ、タブレット端末上で演習することができるサービスです。


 QBオンラインがあれば昔のように分厚い過去問集を開かなくともいつでもどこでも過去問演習を行うことができ、2022年度時点ではQBオンライン国試は紙書籍のQB国試を買わなければ利用できない(QBオンライン国試のみの購入は不可能)という点を除けば大変素晴らしいサービスです。


 過去問のうちメディックメディアが重要と考える問題(紙書籍のQB国試にも掲載されている問題)は分野別(≒診療科別)にまとめられており、通常100~500問ほどで構成される分野別の問題集を解くこともできますし紙書籍に非掲載の問題も含めた過去問を回数別に演習することもできます。


 時代が移り変わっても医師国家試験対策の中心は過去問演習であるという点は全く変わっておらず、全ての医学生は(QBではなく「medu4問題演習」「テコム問トレ」といった他社のサービスであったとしても)まず間違いなく過去問演習に取り組むことになりますがその利用法には工夫が必要です。


 先述の通りQB国試の分野別問題集は少なくて100問程度、多いと500問以上もの問題で構成されており100問を超える数の問題を一気に解いて丁寧に復習するというのはよほどの根気がなければ難しいです。


 分野別問題集は全て一気に解かなくてもさらに細分化された分野ごとに解くことができ、例えばQBオンライン国試の「C:循環器」を開くと「循環器総論(40)」「心不全(24)」といったテーマ別の演習も行うことができます。


 この文章を読んでいるのがCBTを突破して間もない4年生や5年生ならどうぞテーマ別に演習してQB国試を制覇してくださいと言えるのですが、数か月後~半年後に国試本番を控えた6年生には大量の問題をテーマ別に演習していく余裕はありません。


 そもそも時間的にまず間に合いませんし、国試本番は原則として全ての分野・テーマからランダムに出題されますから国試本番を控えている以上は「同じテーマの問題を一気に解いていく」やり方ではなく「様々な分野・テーマの問題をランダムに演習する」やり方の方が本番での得点につながりやすいです。


 国試に余裕を持って合格するには「循環器の難問の次に産婦人科の基礎的な問題が出ても冷静に解ける」「公衆衛生のグラフ読解問題の次に消化管の基礎医学に近い出題があったとしても頭を切り替えられる」といった能力が求められる以上、6年生の過去問演習はランダム演習を原則とすべきと私は考えます。


 先述の通りQBオンライン国試には回数別演習の機能もありますから、例えば第117回国試の受験に向けて第116回国試の過去問をAブロック→Bブロック→Cブロック→……と解いていけば確かに事実上のランダム演習を行うことはできます。


 しかし国試は現在の形式では各論・総論のブロックが全75問、必修のブロックが全50問となっており年度が古くなると1ブロック80問となることさえあります。慣れてくると80問程度は一気に解けるようになりますが最初は50問でも苦しいと思うものです。


 上記の問題を解決してくれる機能が、QBオンラインの「ミニテスト」機能です。


 この機能はあまり知られていませんが使いこなせば極めて便利で、私は国試本番までこの機能を使って過去問演習を繰り返しました。


 ミニテスト機能の解説と具体的な使い方のアドバイスについては長くなりますので次項でまとめて記します。

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