第59話
何の障害物もない平原に陣を作り、防衛の態勢を整えるフェルジャンヌ王国軍とその陣を破り、その先へと進もうとするドレシア帝国軍。
いつ戦闘が始めるか。
両軍とともに極度の緊張状態にあった中。
「ふふふ」
「……あぁ」
両軍の総指揮官たるノア・ラインハルトとアレシア・フォン・ドレシアがゆっくりと自軍から抜け、前へ前へとゆっくり歩いていく。
両軍の一兵卒が困惑の声を上げ、事情を聞いていた指揮官たちが自軍の兵士に落ち着くよう声を張り上げる中。
とうとうその二人は向かい合ってともに立つ。
「ここが正念場」
「ここが戦場」
「長らく待った」
「ここまで時間が経った」
「ついに」
「私たちが」
「ぶつかる時が来た」
ノア・ラインハルトが黄金の剣を抜き、アレティア・フォン・ドレシアが帝国の至宝たる『永久無類の宝杖』を構える。
「さぁ、始めましょうか」
「ふふふ……最大限楽しもうね?アレティア」
初めに動いたのはノアであった。
地面を蹴り、一瞬で距離を詰めて剣を振るう。
「ここは僕の間合いだ」
アレティアが一瞬で張った結界に剣を叩きつけるノアは小さく笑みを浮かべ、口を開いた。
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