第50話
フェルジャンヌ王国で黒い影を捕まえた僕はガイちゃんと共に世界剣魔学園があるレース小国の方へと戻ってきていた。
「私が正真正銘の女の子として学校に通うことになるとは思わなかったわ」
今のガイちゃんはいつも来ているゴスロリ服ではなく、世界剣魔学園の女子物の制服を着て僕の前に立っている。
ガイちゃんの偽名はガリアで、性別は女として世界剣魔学園に通うことになっている……リーミャ王国とルクス連合は現在バチバチだからね。
セルフィオとリリカルにガイちゃんの正体がバレないようしないと。
「ふふふ。ガイちゃんは元から美少女だし、声も女の子そのものだから違和感ないね」
「あ、ありがと……」
僕の言葉にガイちゃんはお礼の言葉を告げる。
「ん。それじゃあ、ガリア。世界剣魔学園への初登校と行こうか」
「うん……えへへ。ノアと一緒の学園通えるの楽しみ」
「僕はノイ、な?」
そんなことを話しながらガリアと一緒に世界剣魔学園へと向かった。
■■■■■
「なんで新しい女が増えているの……ッ!!!」
ガリアと一緒にいつも通り世界剣魔学園と登校した僕は序列十位以上の人間のみ入ることの出来るVIPルームでアーテに胸倉を掴まれていた。
「なんでぇ!私の告白ってなかったことにされてないかしら!?」
「いや……君ならガリアが誰かはわかるでしょうが……」
僕はご乱心の様子のアーテに対して声を上げる。
「……ガイ?」
「うん。そう」
少しばかりの沈黙の後、アーテがガリアの正体を当てる。
「……いや、あの子でもアウトと私は言いたいのだけど?」
「僕はセーフと声を上げたいし、そもそも君がアウトを取れる立場にあると?」
「……あなたが抱いた相手をすべて殺していけば……?」
「物騒だからやめれ。それにそれが困難なことくらいわかるでしょ?」
「まぁ……でも、割と本気でやればノアの防衛網を破って殺すことくらいできるわよ?ノアは大してダメージ受けないだろうからやらないけど……女の子を抱いておいて特別扱いしないし、死んだところで対して落ち込まないところサイコパスだと思うんだけど」
「今のところ僕が抱いた女の子は誰も死んでないんだけど?勝手な想像で罵倒してくるの辞めて?」
「え?でも私の発言そんなに間違っているわけでもないでしょ?」
「……」
僕はアーテの言葉に沈黙で返した。
……べ、別に僕が特別感情の薄い冷血漢でわけじゃないしぃ?ただ、ちょっとばかし他人の死に慣れ親しんだだけだし。
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