非モテ俺、【女の子にモテる】転生特典もらっても非モテ。もうモテ路線は諦める。それより子供たちが困ってるみたいだし助けに行くとするか(10年後、何故か急にハイスペック美少女たちにモテ始める)
リュウノスミカ "悪龍討伐"編(5 / 10)
リュウノスミカ "悪龍討伐"編(5 / 10)
魔王軍幹部オロチ。 <最強>という概念から逸脱せし者。
メイスいわく、魔王軍幹部内においては魔王軍総司令官である <無敗の逸脱者>ドグマルフズと双璧を成す実力者とのことだ。
身構える俺たちの中で、しかし。
「──ブハハハハッ、バカめっ! 大将首が自ら姿を現しおったわ!」
大爆笑とともにイオリテが宙へと浮かんだかと思いきや、その手に持つ魔術杖を天高く掲げる。
「最強だかなんだか知らんが、我が女神の一撃の前に塵芥となり消えるがいいっ! 喰らえっ、ザ・ギガント・ゴッデス・エクスターナル・ギャラクシー・パワービームッ!!!」
イオリテの背後に巨大な光の魔術陣が描かれたかと思うと、そこから天の川にある星々の輝きを思わせるギンギラギン光の奔流が、勢いよくオロチへと向かって放たれる。
「これはこの世界外部の銀河の力を秘めし超・超・超強力でエレガントな女神の一撃! これをその身に喰らった者はみな等しく──死ぬッ!」
「ハッ、くだらん」
オロチは酒壺から口を放すや、青いイナズマのような光線を吐き出した。
その光線はなんなくイオリテの攻撃を貫いて、その背後の櫓門まで粉々に吹き飛ばす。
「ああ、しまったな。門まで壊しちまった」
「んなっ、なななななっ……!?」
青ざめたイオリテ、ヒューッと飛んで俺の背中へとへばりついてくる。
「テ、テツトッ! あやつヤバいのじゃっ! 我の一撃をたやすく打ち破りおった!」
「いやいや、そりゃ最強の逸脱者なんだし、真正面から挑んだって勝てないだろ……」
というかイオリテ、毎回相手を弱く見積もってしっぺ返しを受けてないか?
「相手は常に最強っていう概念のてっぺんにいる男だ。まずその概念上から引きずり降ろさないとな」
つまり逸脱者の能力を全て無効化できる原初の精霊マヌゥの力が必要となる。
だからこそ、オロチと戦うのはマヌゥと精霊融合した俺でなければならない。
そう決心し一歩踏み出したが、
「──オイ、テメェには興味が無ェよ」
オロチが気だるげにその太い腕を振るった。
まるで野良犬を『シッシッ』と追いやるように。
「ッ!」
何の気もないようなその動作に、しかし感じる確かな危機。
とっさに俺は背中の黄金の剣・コガネを引き抜いて真正面へと構え、振るう。
直後、
ガキョンッ! と。
鋭いカマイタチが黄金の刀身に弾かれて消えた。
「……! 何が『興味ない』だよ!」
「今の一撃で死んでりゃあよかったものを」
オロチは鼻を鳴らし、
「オレが戦いたいのは鼻垂れ小僧なんかじゃねー。
そして俺の後ろへと目線をやって指をさそうとして、しかし。
「──あ? いねェ……?」
オロチの視線の先、俺の背後にいたはずのロジャはソコにはいなかった。
すでに、目にも留まらぬ速さで高く跳躍するや、オロチの真上で愛用の大剣を振りかぶっている。
「……私のシショーを、侮辱したのはおろか、不意打ちまで……! 許さない……!」ブチギレ
有無を言わさず、ロジャが大剣を振り下ろす。
しかし、すかさずその一撃へと応じる拳を繰り出すオロチ。
両者の攻撃が正面からぶつかり合い、衝撃波が吹き荒れる。
「ジャンヌとイオリテは伏せろ!」
俺が叫んだ直後、その衝撃波に耐えきれなかった木製の門、橋、石垣がバラバラと吹き飛んでいく。
俺とメイス、シバたちで俺たちめがけて飛んでくるガレキをさばきつつ、橋の向こう側の様子を見る。
「ゲハッ、ゲハッ、ゲハァッ!!! おお、なかなかに強いじゃねぇか! ドグマルフズの野郎を殺ったのもテメェだなっ?」
「…………チッ」コロセナカッタ
「答える気はない、か。面白れェ。部下にとってやりたいところではあるが、魔王軍にもメンツはあるんでな……」
オロチは酒壺を手放すと、その腰に差していた木の棍棒を抜く。
「これまで散々魔王軍を引っ搔き回してくれた礼をさせてもらおうか。ブチ殺すぜ、災害人形」
「……フン」ヤレルモンナラ ヤッテミロ
ロジャが大剣を構えた、その時。
緩やかな風が吹くや、パッと。
ロジャの姿が跡形もなく消えた。
まるで、テレポーテーションでもするかのように。
「なっ……!?」
あぜんとする俺たち。
しかし、
「あぁぁぁ──ッ!?」
俺たち以上に驚いたように目を見張っているのは、オロチ。
「あ──あの魔王教のクソ女……! 余計なマネを……水を差しやがって……!」
だが、どうやらロジャが消えた事象に関して、何かしら知っていそうだ。
「オイッ、オロチ! ロジャはいったいどこへ行った!?」
「あぁっ!? ンなもん、オレが知りてェなァッ!!!」
俺の問いへと、怒号が返ってくる。
「だが、オレもテメェらも、ここにいたら手出しができねェ場所にだろうよ……! チクショウが!」
憤然とした表情を見せ、オロチはクルリと。
踵を返した。
「なっ……オイ! どこへ行くっ!?」
「帰る。
そう言ってその巨体に見合わぬ跳躍を見せるや、五重の塔を外側から上へ上へと登っていき、桜の咲きほこる屋上へと行ってしまう。
「……ど、どういたしますか、テツト様」
不安げに尋ねてくるジャンヌ。
「さすがに予想外過ぎます。まさか、ロジャさんが……」
「し、死んではおらぬよなぁっ!?」
イオリテも慌てたように俺やジャンヌの顔を交互に見やる。
だが、俺に答えの持ち合わせはない。
何が起こったのかサッパリなのだ。
だが、
「ロジャはそう簡単にやられるヤツじゃない。もしさっきのあの現象が即死の一撃だとしたら、きっとロジャはかわしていたはず……」
「そう、ですね。根拠はありませんが、私もロジャさんがあんな攻撃か何かで倒されてしまうようなことはないかと」
「むしろ──『移動のための技』、だったのかも」
そう言ったのは、シバ。
「なんかね、変なニオイなんだ。ロジャのニオイが唐突に途切れて、そこから点々と消えたり出たりを繰り返して続いているような……」
「ロジャのニオイをここから追えるのかっ!?」
「念入りに時間をかければ、たぶん……」
シバはスンスンとその鼻を鳴らしつつ、頷いた。
「行けると思う。少なくとも、ロジャはまだ死んでないし!」
「……よし、わかった」
俺はみんなを見渡して言う。
「俺以外のみんなはロジャを探しに出てくれ」
その言葉にみんな息を呑みつつ、
「まあ、それがええやろね。あのオロチと戦うとなったら、たぶん
ため息交じりにメイス。
「勝算はあるんよな?」
「もちろん……マヌゥにコガネもついてる今、ぶっちゃけ負ける気はしない」
「ふふっ、そんならええわ。オロチもめっちゃ油断しとるみたいやしな。ガツンと頼むでぇ?」
「ああ、任せて」
俺を残し、みんながフェンリル姿のシバの背へと再び乗っていく。
「そっちもくれぐれも気を付けて。どんな相手なのか、サッパリなんだからな?」
「大丈夫だよ、ご主人。さっきみたく妙な風が吹いたら、ボクすぐに避けられるし」
「頼りにしてるぞ、シバ」
「任せてよっ!」
シバはそうして、みんなを乗せて走り去っていく。
ニオイを元に、ロジャを探し当てることができればいいのだが……。
「向こうのことで気を揉んでる場合じゃないわよ、テツト」
俺の手にする黄金の剣・コガネから、凛とした声。
「マヌゥや私がいるからって、その効果を上手く使えるかはアンタにかかってるんだからね?」
「……だな。気を引き締めていくよ」
敵は強い。
あのロジャの不意の一撃へと余裕で応じることができるくらいに。
油断はできないだろう。
「じゃあ、最初から全力百パーセントで行くとしますか」
「それがいいんじゃない?」
「コガネ、実体化してくれ」
「はぁ? なによとつぜん。別にいいけど……」
黄金の剣は光り輝いて、その人の姿をあらわした。
金色の長くサラサラな髪、ネコの瞳のように丸く美しい金色の目、そして豪奢な金色のワンピースドレスに身を包んだ美女コガネの顕現だ。
よし。
それじゃあさっそく。
「で、コレでどうするっていうの──むぐぅっ!?!?!?」
俺はどこかキョトンとしていたコガネの華奢な体を引き寄せて、その唇へと口づけをした。
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