リュウノスミカ "選ばれし英雄?"編(9 / 10)

「──ンギャッ!」



第一魔王国リュウノスミカ、その中央を横断する山脈に置かれた小国にて。

早朝、朝日が昇るとともに、花畑の中心に立っていたリュウノスミカ三将軍の一人・リンドウが突如として破裂し絶命した。



「……は?」



その正面に立っていたのは、同じく三将軍の一人・トカゲ。

<高速の逸脱者アウトサイダー>であるトカゲはその自慢の四本の足の脚力でもって、兵を動かし始めたリンドウを問い詰めに来ていたのだ。

『もしやモグラの小国を攻めようとしているのではあるまいな?』と。

だというのに、



「お、おい? リンドウ……?」



返事はない。

花びらを散らしたリンドウは、見るも無残な姿で倒れたまま。

けんか腰でリンドウを問い詰めていたのは事実にせよ、トカゲが手出ししたわけではない。

会話の途中で、まるで内側から破裂するようにしてリンドウは死んだ……いや、殺されたのだ。



「な、なにが起こっている……!?」



トカゲは慌てて周囲を見渡した。

しかし、何の気配も感じられない。

リンドウを殺した者は辺りにいないらしい。

だとすればなおのこと脅威だった。

なにせ、知覚外からの一撃で、リンドウほどの強力な逸脱者を殺せてしまうのだから。



「オ、オロチ様へと報告に行かなければっ!!!」



トカゲは走り出す。

オロチの居城が置かれているリュウノスミカ、その龍都へと。

規格外の危機が迫っていることを報告に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る