第22話 生まれる前にこんなことあったかも(#^.^#)

「はーい、並んでくださあい」


 ちょっとくたびれた制服の車掌さんが叫ぶ


 

 一人ずつ切符を確認して席を案内してる


 白い切符を持った人たちが順番に席に付いてく



 うん、青い切符を持ってる人がいる


 切符には何か文字が書かれてる


 ピアノ、歌、数学、科学、絵


 みんな違う


 青い切符は“才能”という名前らしい


 

 青い切符の人達は、白い切符の人とは違う豪華な車両に案内された



 いいなあ



 私の番が来た


 みんなと違う赤い切符


 車掌さんが切符を見て変な顏をした



 「うーん、この切符ではこの列車には乗れませんね」


 えっ!?


 いいもーん、違う列車で行くもーん



 端っこで休んでた錆びた電車に乗って出発っー!


 この列車は無能という名前らしい 



 一応走り出したけど


 この列車超鈍行


 おまけによく運航休止するし脱線もする


 時々逆行もするからなかなか前に進まない


 でも、小さな駅にも止まるからゆっくり景色が見られる


 

 終点の表示もなくて


 どきどき、ワクワク、ハラハラなの

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る