第18話 ガラスの城

向こうに見える硝子のお城に行こうとすると


足元に泉が現れる


泉はどんどん広がって


お城と私の距離を埋めてしまう



本当は泉なんてないんだよ


やさしい声がささやいている


声の主は天使か悪魔か



まぼろしなのかもしれないそれは


それでも目の前でキラキラと輝いている



光の橋が泉にかかるけれど


橋がかかると泉がまた大きくなり城が遠くなって


あっというまに消えてしまう



あきらめて引き返すと


泉は再び姿を消し


城は前より近くなる



今度光の橋が見えたら


思い切って渡ってみようか


光の橋が架かっている時間は


だんだん長くなってる気がするし


泉は意外と浅いかもしれないしね










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