Vtuberにはキャラが大事

前回のあらすじ 宮川さんが人気Vtuberになるのを手伝うことになりました。


 僕は彼女が人気Vtuberになることを手伝うと約束した後、そのままこれからの方針について話すことになった。


 二人とももう注文したものをたべてしまった。何も食べていないと申し訳ないのでポテトを二人でシェアすることにした。


 宮川さんはおいしそうにポテトを食べている。かわいい。ところでなぜあんなに普段無表情であまりしゃべらないのだろう。気になる。


 「なんで宮川さんは学校ではあまり喋らないの?」


 宮川さんは一瞬ポテトを食べる手を止めたがすぐに食べ始めた。


 「秘密よ。私が人気Vtuberになったら教えてあげるわ」


 なんでだよ!一体いつになるんだ!ものすごい気になるけど我慢しよう。


 「というかこれからの話よ。どうやって人気Vtuberになるか何か案はある?」


 宮川さんはポテトを僕の方に向けて聞いてくる。


 「うーん。そうだなー」


 僕は頭の中で人気Vtuberの配信などを思いだす。


 「やっぱり、キャラがしっかりしてる人は人気になると思うよ」


 「キャラ?例えば?」


 「なんかクズキャラとかお嬢様キャラとか」


 「ふーん。私には無理ね」


 宮川さんはそう言ってポテトを頬張った。そうか?両方当てはまってるきがするけど。


 僕は怒られたくないので今考えたことをそっと心の中にしまった。


 「ちなみに「狐山 コン子」はどういうキャラなの?」


 「それはね、昔人間に両親を殺されてその殺した男に復讐するためにVtuberになったっていう設定よ」


 「設定が重いよ!リスナーが気軽に応援できなくなっちゃうよ!」


 なんだその設定は。


 「とにかくもっとかわいい感じの設定にしようよ」


 僕は設定の変更を要求した。


 宮川さんは納得いかない様子だが、しぶしぶ同意してくれた。


 「そうね。なら女子高生ときつねがぶつかったら合体してしまったみたいなのはどう?」


 「どうもこうもないよ!そんなに設定がかわいくないよ!」


 宮川さんは絶望的に考えるセンスがないようだ。あんなに学校の成績は良いというのに。


 宮川さんは不貞腐れてポテトを頬張っている。


 「ならあなたが考えなさい。ポチ」


 「ポチじゃないよ!うーん。人間に憧れたきつねが女子高生になってちやほやされたくて配信を始めたとかどうかな?」


 我ながら何を言っているか分からないが多分大丈夫だ。


 「ふーん。ならそれでいいわ」


 宮川さんはつまらなさそうに窓の外を眺めている。おい。こっちは考えているというのに。


 「それとなんか語尾が特徴的だったりするよ。何々だポンみたいな」


 自分で言っていて少し恥ずかしくなって僕は顔を隠した。


 「何照れてんのよ。本当にそんなんでキャラがつくの?」


 宮川さんは信じてないようだ。


 「でも手っ取り早くキャラをつけるにはこれ以上の方法はないよ、試しに語尾にコンをつけてみてよ」


 宮川さんのコンは聞いてみたい。しかし宮川さんは酷く嫌そうだ。


 「おまえうざいコン。ここの代金おまえが払えコン」


 「言ってることが全然可愛くないよ!割り勘だよ!」


 僕たちはきちんと割り勘した後ワックを後にした。


 


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