Vtuberには案件配信というものがある

これはとなりの宮川さんとたわいもない会話をする話。



無口な宮川さんと話せる時間。それは朝の教室で二人きりのときだけ。僕は今日も宮川さんと話すために早めに家をでる。



教室につくといつものように宮川さんは本を読んでいる。「おはよう」そう挨拶するがいつものように彼女から返事はない。。



僕が小説を読んでいると。彼女が話しかけてきた。



「ねえ。Vtuberの案件配信って見たことある?」


「あるよ。新作のゲームを実際にプレイしたり、商品の紹介なんかをしていたよ」


「いいわね。それだけでお金をもらえて」


「思っていても言っちゃだめだよ!知名度があるからこそだよ!」


「ならなんで私のところにこないのかしら」


「こないよ!たかだが500人ちょっとじゃあまり宣伝にならないよ!」


「何がたかだかよ。500人でも私には大切なリスナーなのよ!」


「ごめんよ。そんなにリスナーの事を大切に思っているとは思わなかったよ」


「そうね。GUCCHIの財布の次に大切だわ」


「そこは命って言ってほしかったよ!それだと財布のほうが大切になっちゃうよ!」


「なんか改めてリスナーのありがたみを感じたわ。何か感謝を伝える方法はないかしら」


「そうだね!Vtuberには記念配信とかする人もいるよ」


「ああーー。有馬記念ね」


「それは競馬だよ!中山競馬場で行われるGIじゃないよ!」


「妙に詳しいわね。さすが馬の骨ね」


「ひどいよ!素性のしれないもの、役に立たないものを指す言葉を使わないでよ!」


「うるさいわね。他に記念配信ってないの?」


「他には誕生日配信とかあるよ。みんなで誕生日の喜びを分かち合うんだよ」


「それはいいわね。私の望むものを持ってきた人と結婚してあげてもいいわ」


「それはかぐや姫だよ!さすがにかぐや姫と自分を同列に語るのはおこがましいよ!」


「いいじゃない。誕生日くらいちやほやされたいのよ」


「欲望がでてるよ。しかも普段の配信でちやほやされてないことが発覚したよ」


「そんなことより記念配信よ。チャンネル登録者数500人記念配信をするわ」


「いいとおもうよ。ちなみに何をするの?」


「そうね。500人だから、500万円スパチャしてもらうまで耐久配信するわ」


「望みが高すぎるよ!おばあちゃんになるまで耐久することになるよ!その前に寿命がつきるよ!」


「冗談よ。やっぱり感謝を伝えないとね。500回感謝の正拳突きをするわ」


「バーチャルだからやってるか分からないよ!それをやるのは3Dの体を手に入れてからだよ!」


「「感謝するぜ リスナーと出会えた これまでの すべてに」」


「うるさいよ!」


宮川さんとの特訓は続く

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