エージェントマダム櫻木
江富 藍
第1話
夏も終わりの日、隣の部屋に引っ越してきたのがマダム櫻木。勝手にそう心の中で呼んでいる。マダム櫻木は背が低い、腰も低い推定50代。引っ越してきた日にはクッキーの箱を持って挨拶に来た。独り身ですので静かに暮らしますとペコペコ頭を下げていた。特に気になることはなかった、はずだった。その時は。
それ以降マダム櫻木の部屋にはひっきりなしに荷物が届くのだ。朝から晩まで。それを1人でペコペコ受け取っている。最初は、引越しの荷物を小分けにして送ったのかと思っていたがさすがにもう2ヶ月だ。おかしくないか?
でもまぁ迷惑ってことでもないし、俺が出かけている時のことはわからないし。と、気にしないように過ごしてた。それからもずっとクロネコもサガワもあらゆる業者が毎日入れ替わり立ち替わりひっきりなし。マダム櫻木の家の前で業者たちが談笑してる時もある。やっぱ気になる。なんなんだマダム櫻木。
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