第26話 暗躍

 カスマ達の前から逃げた子分男は数分間ひたすら商業エリアを走り続け、商業エリアの出口付近にまで気付けば逃げていた。


「はぁはぁはぁ。お、親分がやられた。俺はこれからどう生きていけば」


 子分男がぼやいていると黒いローブをきた怪しげな男が子分男に近づき


「君。少しいいかな?」

「ひ、ひぃぃぃぃ!なんですか!?なんでもするから許して」

「ふふ。面白い子だ。なぁに君に話があるんだ。悪い話じゃない。むしろ君にとってはいい話だと私は思うよ」


 黒いローブを着た男が言うと子分男は


「いい、話?」

「そうだ。いい話だ。まずは両手を出しなさい」


 子分男は黒いローブをきた人の前に手を出すと黒いローブを着た人は子分男の手に黒い玉を置く。


「な、なんですか?この黒い玉すごくまがまがしい感じがするんですけど」

「まがまがしいことは気にしなくていいよ。それよりどうだい?それを持った瞬間少し力が湧いてきただろう?」

「力が湧いてくる?そんな感じは・・・。いや確かに何かよくわかんないけど自分に対して謎の自信が出てきた。俺ならできる!みたいな」

「そう!君にはその黒魔玉を扱うことができる!復讐したいやつの前でそれをわるといい!であれば君に更なる力が宿るであろう」


 黒いローブを着た人はそれだけいい残すと子分男の前から去る。


「これを、これを使えば親分の仇がとれて俺も強くなれる。ふ、ふふ!ふふふ!次に会う時は殺してやるぞ。あの冒険者ぁ!」


 子分男はわらいながら商業エリアの裏に戻る。





 親分男を殺した後一旦ミナキを宿屋に預けるために中央区に戻っていた。


「マリダさん!いますか!」


 俺は宿屋に入って叫ぶとマリダさんが出てきて


「人がいないのに空いたらぶようじんすぎよ。ちゃーんといるわってあら」


 マリダさんは俺たちの姿を見た後に俺たちが一緒に連れてきたミナキの姿を見て


「つ、通報した方がいいのかしら?まさかカスマがこんな若い子を連れてくるなんて」


 まてまてまて。いきなりそれはひどい。失礼にも程があるぞ。マリダさんは俺のことどんな目でみてるんだ。


「マリダさん。そういう冗談はダメですよ。カスマが信じてしまいます」

「あっはは!ごめんごめん!限度ってもんがあるか!安心しなカスマ。あたしはカスマが人攫いするようなやつとは思ってないから」


 マリダさんは俺の背中を叩きながらいう。

 はぁー。本当に心臓に悪い冗談はやめてほしいよ全く。


「それで?その子はどうしたんだい?」

「この子はミナキ。俺たちの新しいパーティメンバーです」

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