第22話 不幸な子

「はまってやんの!ボロ服男!」


 俺が路地裏に入った方向から大人の男2人と水色のロングヘアーの髪で目が死んでいる俺と似たような格好のボロい服を着た女性が1人立っていた。


「ミナキの姉御!頼みましたよ!」


 子分のような男の1人が言うと男は2人ともにげていく。あれ?なんで逃げるんだあの2人?


「お兄さん。逃げたければ逃げていいの。ミナキといると不幸がおとずれる、の」


 ミナキが言うと急に風が吹いたかと思うと巨大な木箱が俺に向かってとんでくる。

 な!あんな木箱どこから!?


「避けるに決まってるでしょうが!」

「ダメなの。ミナキが近くにいる限り不幸は続くの。どんな小さなことでもなの」


 俺は木箱を避けようと横に移動しとうとしたら足元に転がる石ころに足をとられこけてしまう。な、なんだこのべたなやつは!


「っ!」

「悪いとは思わないでほしいの。ミナキも好きでこんなことしてるわけじゃないの。これも生きていくためなの」


 俺が転けた先になぜか上から建物の一部が崩れてでかい石ころのような破片が俺に向かってふってくる。これは、やばい!


「カスマ。安心してください。私がいる限りあなたに傷を負わせるようなことはしません」


 俺がもうだめだと思った時にコープスが俺の前に現れ大きな石の破片を剣で一刀両断する。


「す、すごいの。ミナキの不幸にあらがったやつははじめてなの。ミナキと不幸にあった人はミナキをおいていつも逃げているの」

「そう。それは悲しいですね。ですが今回ばかりは相手が悪いですよ。なんせカスマには私がついていますから」


 コープスはミナキに言うと今度はミナキに対し不幸が襲いかかる。ミナキに向かってかなり鋭利な石が顔に向かってとんでくる。俺はそれを体で庇ってうけとめる。


「ぐっ!」

「な、何してるの!ミナキは敵なの!なんで助けたの!」

「は、はは。人を助けるのに、理由なんかいらないよ。理由をあえて言うなら体が勝手に動いたのとなんだか放っておけないから。それだけだ」


 俺はミナキに言うとミナキは


「馬鹿なの。本当に馬鹿な人なの。ミナキみたいな不幸を近づける女は早く死んだほうがいいの。生きているだけで人を不幸にする女なんて」

「バカは君だ。死んでいい人なんていない。君のその不幸が訪れる体質的なやつには理由があるはずだ」


 俺はミナキの肩を掴んで言うとミナキは泣きながら


「そんなこと、言ってくれる人、はじめてなの。ありがとう、なの。襲ってごめんなさい、なの」

「生きていくためにしたことなんだろ?これくらい可愛いもんさ。な、コープスさん」


 俺はコープスに言うとコープスは無表情で


「生きていくためにしたことなら仕方ないですね。でも私は君より君を利用したあいつらを許せない」

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