第十三首 美しさの只中にある...

美しさの只中ただなかにある私を殺す全てが愛おしい



 抽象的な短歌。

 「なんの為に生きるのか」と問われれば、私は「美しさのため」と即答する。もちろん美容や鉱物の話ではない、精神的な美しさの話だ。


 では、この「美しさ」とはどこから湧出しているのかを考える。すると案外美しさは、今の極貧な生活状況や、何者でもない空っぽのおっさんである自分という、持たざるが故の制限によって生じているとわかった。

 反面、なにかが欠乏しているということは、それだけ物質的に貧しくなることを意味している。そして身体は物質でできているので、端的にそれは死に直結する。


 精神的な豊かさと、物質的な豊かさがトレードオフの関係にあることを、「美しさの只中にある」、つまり精神的に充足した状態にある「私を殺す」、つまり欠乏している事実という語を用いて表した。

 うまく表現できたなと思ってるし気に入ってる。

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