新人賞が獲れる上手い人と獲れない上手い人について考える。(有益度★★★★★)

 皆さん、『特定しないでください』のご予約、『嘘つきは同じ顔をしている』のブックオブザイヤーへの投票、『◾️◾️謹んでお譲りします。』の購入はお済みですか?


 さて、今日は商業で出せるくらい書けるのになぜか新人賞が獲れない、最終やその手前で落ち続けて苦戦する人とすんなり受賞する人の差は何か? ということについて書きます。


 色んな出版社の編集者さんに聞いたので、絶対こういう理由というわけではないでしょうが、一定の信ぴょう性はあるような気がします。

 私がこういうお役立ち情報を書く時は告知の時ですからね。お、いいこと書いてんな!と思ったら投げ銭感覚で新刊の予約お願いしますよ。次のでは売れたいので。


https://www.shogakukan.co.jp/books/09407510


 では本題。

 私は計6回最終に残った挙句、けっきょく賞なしで世に出た人間なわけですが、最近ちょくちょく執筆依頼をいただくわけです。新人賞獲れなかった版元から。

 で、毎回ありがたいんだけど、そんなら賞くれてもよかったんじゃないかなーっていう話をするわけです。

 で、毎回ほぼ同じニュアンスの返答で納得しちゃうんですよね。

 それならまぁ仕方ないと。

 で、私と同じドツボにハマる人がいたら良くないからエッセイにでも書こうかなと思った次第です。あと役立ててくださった方がね、著作を買って応援してくれるかもしれないし。

 まず、新人賞の選考は最後まではクオリティで選んでいくそうです。

 当たり前じゃんって話ですよね?

 その年の全体のレベルによるところはあるそうですが、点数で450/500あれば最終選考に残りますよと。

 テーマ、ストーリー、キャラクター、文章力とかまぁ項目は知らないですが色んな視点から評価していって良いものを残しましょうと。

 ただ、ここに落とし穴にあって、最終選考からゲーム性がガラッと変わるらしいんですね。

 全項目92点の作品と、一項目200点であと全部65点の作品があったら絶対後者が勝つ。

 前者が勝つことはない。

 ということらしい。

 後者は一発屋になるかもしれないし、2作目以降書けないかもしれないけど、それでも後者が受賞すると言われましたね。

 前者は書ける人だから、また次回や他の賞で世に出る可能性があるけど、後者はここで世に出さないとこの才能を埋もれさせるかもしれない、それが一番罪深いというような話になるらしいです。

 選考委員が作家でも編集者でも同じっぽいです。


 で、あなたは前者だから獲れなかったけど、世に出てくれたから仕事はお願いしたいんですよと。


 つまりもう今更の話なんですけど、全体的な整合性とかクオリティのバランスを考えるんじゃなくて、一点突破タイプのトガり散らした作品の方が新人賞がほしいのであれば圧倒的に有利ということですね。

 そういえば選評に商業レベルだけど、小粒とか小さくまとまってるとかよく書かれてたわ……。

 オーソドックスなテーマでもそれをぶち壊す狂った登場人物出すとかそういうチャレンジをやるべきでしたね。

 今思うと。

 もう遅いけど。


 逆に新人賞ではないWEB経由デビューやコンテストは全然そうじゃないので、きちんと万人受けしそうなテクニックで勝負してる人も評価されるそうです。

 こっちルートで私も世に出られましたし。


 趣味で書くだけでなく商業を視野に入れるなら、こういう戦略性をもって書いてみるというのはありかもしれないですね。


 どうですか? ちょっと役に立ちそうですか?

 では、告知。

 新作ミステリー『特定しないでください』が小学館から11/6に刊行されます。

 売れない作家の"私"が新作の執筆のため、ステージ上で流血沙汰の事件を起こした後、全員姿をくらましたアイドルグループの噂を聞き、ネタにするために行方を追っていくうちに整形、繋がり、横領、殺人疑惑がボロボロ出てきてなんかめちゃくちゃになっていくミステリーです。


 単行本だと学生さんがなかなか買いにくいかなぁと思って、今回は文庫にしてもらいました。


 ちなみに担当編集者さんは『君の膵臓をたべたい』を立ち上げた超敏腕で、企画内容は背筋さんに相談しつつ作って、装丁やデザインは『近畿地方のある場所について』のビーワークス横山さんにお願いできたので全体的に良い感じです。


 あとここから施策や超豪華なメンバーの推薦コメントとかも発表になっていくのでそちらもお楽しみに。


 是非是非今のうちにご予約よろしくお願いします。

https://www.shogakukan.co.jp/books/09407510


ではでは。

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