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 勝手に敷地内に入るのはマズイと思い、僕は門の前から屋敷へ向かって声を張り上げた。


 中にいる人に聞こえないと困るので、大きく息を吸い込み、お腹に力を入れながら可能な限りの大音量で解き放つ。


「すみませーん! どなたかいらっしゃいませんかーっ?」


 自分の耳が痛くなるほどの声が空の彼方までこだまする。でもそれはすぐに発散し、その場には沈黙が訪れる。


 その後も僕は同じように何度か叫んでみた。するとしばらくして屋敷からではなく、村の方から何人かの集団がやってくる。プレートメイルや鉄の槍を装備していることから、おそらく村を守る兵士さんたちか自警団の人たちだろう。


 全員が男性で、年齢は50歳くらいから20歳くらいと幅広い。そのうち、リーダーらしき人が眉を曇らせながら僕に声をかけてくる。


「さっきから大声で叫んでいるのはキミかな? うるさいんだよね。静かにしてくれないと自警団の詰所でお説教ということになるよ?」


「あ、その、僕たちは村長様に用事がありまして。でも勝手に敷地に入ったらマズイと思ったので、ここから叫んでいたんです」


「村長様はお忙しい。キミたちの相手なんかしてくれるわけないだろう。さぁ、どこかへ行きなさい」


「実は僕たちは村で起きているアンデッド騒ぎを解決するために、何か協力できないかと思って村長様に話を聞きに――」


「そんなの余計なお節介だよ! それは私たち自警団の仕事だ。村のことは村の者でなんとかする。余所者の出る幕じゃない」


 自警団のリーダーらしき人は額に青筋を立て、シッシッと犬でも追い払うかのように手振りで僕たちをその場から離れさせた。さらにその後も数人のメンバーから監視され続けることになってしまい、居づらくなった僕たちは早々に村から旅立ったのだった。



 BAD END 8-8

 

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