「無能は邪魔」と言われギルドを追放された俺。だが後に俺は無能から最強魔獣使いとなる〜裏切られたあげく、無能と言われギルドを追放された俺は最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

@Murasakihayabusa

第1話 裏切りと追放

 「おい、リウス。なんでお前がここに呼び出されたか当然わかるよな〜?」


 ギルド長のメイザックは俺を睨みつけながらそう言って来た。


 俺が呼び出されたギルド長の部屋にはギルドの幹部たちも集められていた。


 まって、俺ってそんななにか悪いことしたの?


 「いや、わかんないです」


 バンッッ!!!


 ギルド長は、俺の答えが気に入らなかったのか、自分の机を拳で思いっきり叩きつけた。


 「一つ質問するが、お前は今月ど・れ・だ・け・の! 金を稼いだんだ?」


 「えっと……確か五千バースは……」


 「嘘をつくな! お前は一バースも稼いでないよな!」


 は?

 ちょっとまって。

 そんなはずはない。

 だって確かに俺はクエストを何個かクリアした。


 だから五千バースは必ず稼いでるはずだ。

 それなのにゼロ!?

 そんなわけないだろ!?


 「まってください! それは何かの間違いです! 確かに俺は五千バースは稼ぎました! きっとなにかの」


 「きっとなにかの間違いです、とでもお前は言いたいのか? 残念だがそれはない」

 「なぜですか!」

 「これを見ろ!」


 ギルド長は俺にクエストの紙を見せつけてきた。


 そうだ!

 これは俺が受注したクエストだ!


 ほらやっぱり受注者のところにも

リウスって俺の名前が……。


 「ハハハ! やっぱりお前は嘘をついたな」


 「どうして……クエスト達成のところに俺の名前が書いてないんだ……?」


 クエスト受注者とクエスト達成者のところに名前を書かなくてはいけない。

 クエスト達成者の方に書かれた名前の人に報酬が渡される。

 ちなみにその人がギルドに入っている場合、ギルドに報酬が渡される。

 そしてクエスト受注者の方には俺の名前が書いてある。なのにクエスト達成者のところには……。


 「失礼します」


 「おお、いいタイミングで来たな! スウサよ!」

 「この部屋を通りかかって見れば、ギルド長の怒鳴り声が聞こえたので……つい」

 「おい、スウサ……。どうしてクエスト達成者のところにお前の名前が書いてあるんだよ!」

 「どうしてって、そのクエストは僕が達成したからだよ。何当たり前なことを聞いてるんだい?」

 「これは……俺がやったクエストだろ!?」


 スウサは俺の一番の親友だ。小さい時からずっと一緒だった……。

 なのに……どうして……。


 「いつだ……いつ書き換えたんだ!」

 「君は相変わらず面白いね。昔っからそうだ。」


 スウサは笑いながらゴミでもみるかのような目で、俺を見てきた。


 いつだ……いつか書き換えられた!?

 もしかして……あの時か……?


 俺がクエスト中に怪我してしまった時、代わりにクエストの達成報告をしてきてもらった時があった。


 まさかその時に俺の名前を消して自分の名前に書き換えたのか……?


 「なぁ、俺とスウサってさ……親友じゃないのか……?」


 「僕と君が親友だって?ハハハッ、笑わせないでくれよ。僕と君みたいな無能が親友なわけないだろ?」


 「……ハハ……そうか……俺とスウサって……親友じゃなかったんだな……」


 「おい、それでさっきの続きだが」


 「はい……」


 「結局お前はなにもできない無能ってことだ。戦闘面でも役に立たない。金もまともに稼げない」


 俺は確かに弱い。

 戦闘面じゃ何にも役に立たないし、稼いだはずの五千バースだって普通の人なら1時間もあればできるクエストだったのに3時間もかかった。


 「ということで、このギルドに無能はいらない。だからリウス・サーテス。お前はこのギルドを追放だ」

 「え?」

 「聞こえなかったか?ならもう一度言おう。お前は無能だ。このギルドに無能はいらない。だから追放だ。」

 「いや、ちょっと待ってください! じゃあ俺はこれからどうなるんですか!?」


 「そんなこと知るかよ! 生ゴミでも食って頑張ったらどうだ? おい! こいつをつまみ出せ!」


 ギルド長の指示に従い部屋にいた幹部たちが、俺を掴んで外まで引っ張り出された。


 「あ、そう言えば」


 なんだよ今頃!


 「お前の装備や生活品はギルドのお金で購入してたよな〜? つまりだ。その装備や生活品はギルドのものだ。まあ今お前が着てる服だけはやるから感謝するんだな!」

 「やめてくださいよギルド長、僕の笑いが止まらないじゃないですか〜!ワハハハハ!!!」


 二人の笑い声を最後に、俺はこのギルドから追放された。


 

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