ガラハドの新卒スーツ事件だ♥アルベルトやホーク、グレイ、シフ、アイシャ、クローディアたちを覚えてる？

第1話 手加減なしで、いきます♥️ロマンシングなガラハドから、あれを奪いとれ！奪われる気持ち、シューショクヒョーガキ世代に近いかもなあ。

　「な　なにをする　きさまらー！」

　また、見てしまった！

　最近見る夢って、こんなのばかり。こういう夢を見た後で会社にいくのって、マジでH。

　俺の名前は、カキョウインガラハド。日本生まれの、日本人。新卒社会人。

　俺のあだ名は、「ロマンシングガガ」。

　「ガガ」っていうのは、パパの好きな、女性アーティストの名前からきている。

　俺たちの世代じゃあ、呼ばれたい人のほうが、あだ名を考える（…え、そうなの？）。

　友達には、こう提案するんだ。

　「ねえ、皆？今度から、俺のこと、ガラハドじゃなくて、ロマンシングガガって、呼んでくれないか？」

　だって、俺が中心。

　世界に、1つだけの花！

　俺のことは、俺が、決めてやれ！

　俺たちの世代は、ぽかぽか生活。

　困った顔をしていれば、国から、定額給付金やら仕事のポストを、もらえるんだ。ほぼほぼ、シューショクヒョーガキ世代っていうがんばり屋さんたちから奪いとったもんだがな。

　絶対に、返さないからな。

　「ロマンシングガガな俺は、今日もいく！泣いているシューショクヒョーガキ世代の奴らから、また、いろんなものを、奪いとるためにな！」

　ロマンを追い求める、俺！

　に、してもだなあ…？

　「な　なにをする　きさまらー！」

　何なんだ、あの夢は？

　夢の中で、俺は、はげたおっさんの姿になっていた。だれかに何かを奪われて、何かをされて、叫んでいたんだよな。

　汗びっしょりになって、目が覚める。

　すると、ちょうど、朝になっている。

　目覚まし時計代わりなこの夢って、何？

　会社、疲れか？

　俺は、物流系の会社にいっている。

　「会社にいっている」

　その言い方って、すごいだろ。

　「会社で働いている」とは、言ってない。

　「会社にいっている」

　俺ら、世界に 1つだけの花教育を受けた、過保護でオンリーワンの新卒入社世代の、あるある。

　「ロマンシングガガ？もう、起きなさい」

　「えー、ママ…あと、 5分だけえ」

　「ダメです！」

　「ちぇっ」

　「会社に、遅れるでしょ？」

　「良いじゃん。会社辞めさせられたら、新しい会社に入り直せば良いんだし」

　「ちょ…！」

　「今は、人材不足！楽に、やり直せる」

　「ちょっと！」

　「ぬるい、日本」

　「ほら！お母さんたち、やり直しのきかないシューショクヒョーガキ世代の人が聞いたら、怒り狂いますよ！」

　「…わかったよ、ママ！」