世界のつくりを説明する試み

もりを

物質編

第1話・原子って

1・原子って


石ころを半分にすると、小さくなるよね。


その半分をまた半分にすると、もっと小さくなる。


さらに半分の半分の半分の半分の・・・その半分にして、もっともっと小さくして、もう絶対に半分にはできない、行き止まりのいちばん小さいつぶにしてみる。


砂つぶよりももっともっと小さな、物質としていちばん小さなつぶ。


それが、原子だ。


原子は、中心に原子核があって、その周囲を電子がぐるぐると回るつくりになってる。


ちょうど、地球の周りを月がすごいスピードで回るような感じ?


ただ、大きな大きな地球と月とは、重力と慣性の法則の釣り合いで軌道を安定させてる。


だけど、小さな小さな原子核と電子は、電磁気の引力と超高速による遠心力との釣り合いで軌道を安定させてる。


モデルは似てても、ぜんぜんちがうのだ。


そして、のんびりと静的な天体にくらべて、ミクロの世界の住人はものすごく動的で、性格が激しく、落ち着きがない。


例えば、原子の中でもいちばんシンプルなつくりをした水素原子。


+に荷電したひとりの陽子が原子核の位置にいて、-に荷電したひとりの電子が「あのひとにくっつきたい」くせに、「きらいっ」なんつって、周りをぐるぐると(光の速さで!)回って遠ざかろうとしてる。


お互いにくっつきたいのに、離れたい。


・・・というのが、古典物理学的な原子モデルだ。


つづく

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