第47話 胡金涛 逝く
反秀欣平派をまとめていた重要人物である胡金涛がなくなったという内部情報が拡散されている。2025年6月30日、胡金涛の親族が北京入りした。メディアも喪に服する時のモノクロ表示の画面の準備するように指示が出されているとされる。
中酷人民解放軍の301医院から国家レベルの元高官が現在重篤な状態であると伝えている。301医院は北京市にある中酷人民解放軍総医院であり、最高レベルの軍系医療機関だ。政府は思惑在りきで公式の場ではまだ発表はなされていない。中酷の権力争いに休む間はない。亡くなった人物が高官であればあるほど権力バランスに大きな影響力を及ぼすからだ。要人の死去・体調不良は、国家の重大機密として扱われる。もし、TikTokやWeChatなどのSNS上である指導者の死去に関する情報を見かけた場合、絶対にコメントやシェアをしてはならないとの通知が当該人物の勤務先などの公務員に出される場合がある。
党中央調整機関設置がなされ秀欣平の独裁終了宣言があったという噂が広がっている最中の情報だ。
胡金涛は共青派の代表であり、強い影響力を持つ。その胡金涛が亡くなれば再び秀欣平の復権が取り沙汰されるのも間違いないだろう。個人支配体制から集団指導体制に移ろうとしている現状に水を差すことは懸念される。温家法や張遊侠は秀欣平を引き摺り下ろすのに躍起になっているのに違いない。
秀欣平による暗殺事件とも噂されるが、秀欣平は中南海で張遊侠らによって軟禁状態にある可能性が高く、誰に指示が出せるかと言う疑問は大きく残る。
秀欣平の側近が次々に降格されている。秀欣平が復権を狙ってもその都度、出る杭は打たれるで降格人事が行われている。党内の混乱はまだ綱引きが行われている状態であり、秀欣平が仮に失脚したとしても、方向性が打ち出せていない限り、世界との関り方が変わることはないことを物語っているのか。ただ、米国の出方が静かになってきている点から、弱まっていることも考えられるが、米国自体の経済が、中酷と同じく孤立していけば、情勢が大きく変化し、中酷は米国の腰ぎんちゃくになる可能性も捨てきれない。日本に関税を掛けた事が裏目に出て、世界からすれば米国の市場は、日本と関わる各国に移転する動きが加速することも充分に考えられる。日本は米国の国債を断トツ一位で保有していることから、何れは、米国が面子を保ちつつ、日本に媚びる図式が世界の動きから見え隠れする。日本への関税は、米国国内の産業に大きなダメージを与えることが、この夏、顕わになるのは確実だ。
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