005 動物シリーズ 猫

 私は猫だ

 吾輩は猫であると言いたいところであるが私は猫だ

 夜の公園を駆けまわる

 季節は少し肌寒くなってきたころではある

 人がいる場所は避けて草むらを走る

 人が苦手というわけではないがそうした方が良いと思うからそうしている

 ここが緑の多い公園で良かったと思う

 おかげで人目につかないでいられるのだから

 草木を掻き分け私は走り続ける

 そして勢い余って草むらから飛び出したのだ

 すると驚いた顔をした人が私を見下ろしているではないか

 それはそうだ猫であるないに関わらず生き物が突然草むらから飛び出してきたら驚くだろう

 私は踵を返すと元来た道を戻ったのだった

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