不死と余命2年

アタラクシア

余命のお話

医者から告げられた。


「もって……2年でしょう」


意外と悲しくはなかった。なんとなくは予想ができていたから。私よりも周りの方が悲しんでたくらいだ。……まぁどこかにぽっかり穴が空いた気分にはなったよ。




彼氏がいた。優しい彼氏。顔はまぁ……悪くはない。1歳年下のちょっと無口な彼氏だ。


たまたま部活が一緒でそういう関係になった。どうせずっと一緒にいられるはずはないのに。なんでだろうね。人間って不思議だ。


いっぱい遊んだ。家に行ったり、ボーリングしたり、スキーしたり、ゲームしたり。楽しかった。


友達とはまた違った楽しさ。友達もいいけどこれはこれでいい。


――でももうすぐで終わる。そう考えてみると、なぜか涙が出てきた。止まらなかった。不思議だ。人体の不思議に載せておいたら売れると思う。




「……」


そんな感じで病室から外を見ていた。残り2年。もっとやりたいことは多かった。


太陽。差し込む太陽が暑いほど痛い。現在は夕暮れ時。


「……眩しいね」

「あっ、ま、窓閉める?」

「うん」


カーテンを閉めてくれる。彼氏だ。部活も終わったらしいので来ていくれていた。


「……死にたくないなぁ」

「そう……なの」


こんなことを言っても意味無い。彼氏を困らせてしまうだけだ。


「……不老不死ならよかったのになぁ」

「あはは。ぼ、僕は不老不死なのにね……」

「そうだよねぇ……」


そう、彼氏は不老不死……ん?

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