第14話 自分語り for my self

ずっと何かになりたいって思ってた。

それは自分が何もない人って思ってたから。

人とは違う何かになりたいと思って足掻いた。

その過程で何かになりたい願望と人並みに生きたいって願望が入れ替わってた。

何かになりたいって思う前に俺はもともと人とは違ってた。

変わり者って事も忘れてた。

人の個性を尊重してるくせに、自分で自分の個性を壊していってた事に気がついた。

皆んなと同じようにっていつしか思ってた。

学生時代は誰よりも個性的だったくせに。

元から俺は何かだった。

普通に生きるって意味も世間の高さに合わせなくてよかった。

人の事はよくわかるのに自分の事はわかろうともしなかった。

自分を嫌う事で欲望にも嘘がつけた。

俺を閉じ込める牢獄は自分の内なる叫びだった。


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