第5話

恋とは一種の精神病であると言う話しを聞いたことがある。

私は一つの正解だと思う。

私は心が壊れかけたとき、必ず誰かに恋をして、恋愛して、傷つけて失ってきた。

心が正常な時に私は人を好きになった事はない。

私は自分が世間的に障害者になった時その事に気がついた。

今は心もまともではないが、恋する気持ちもない。

人の倍以上異性と経験を持ってきたけど、何も得るものもなかった。

自分への負担をただ他者へ向けて楽になる為だけに必要だったのだろう。

今はそう感じているが、明日には日の光の下にいるのかもしれない。

私は自分の明日の心理状況さえわからない。

陰と陽

その二つが同時に存在し、また同時には存在しない。

どちらの私も本当に私自身なのだろうか。

全てを恨み死を望む自分と全てが愛おしくて生に執着する自分。

この2人分の感情をなぜ1人の自分と思えるのだろう。

思えばその2人の自分どちらも本来の自分ではないし、もう本来の自分の人間性すらわからなくなった。

私は正直自分が何なのかもうわからない。

それでも肉親の前では普通を装わないと相手を不安にさせる。

私は抜け出せない。

もう3千の夜は越えただろうに。


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