第2話 夢の世界?

次に目を覚ますと周りには草原が広がっており、空には竜がとんでいた。

「ここはどこだ?」

蒼が考えて、真っ先に思い出したのは異世界転生モノのラノベだった

「まさか、これがいわゆる''異世界転生''ってやつか?」

よくよく考えるとこれって異世界転生のテンプレ感があるなーなどとくだらないことを考えていると、後ろから

「違いますよ」

という少女の声が聞こえた。

振り返ってみてみると、それは先程事故から庇ったクラスメイト、瀬川紅であった。

とりあえず、今の状況を瀬川さんに尋ねてみることにした。

「異世界転生じゃ無かったらここは一体?」

すると次の瞬間、紅は衝撃の一言を口にした。

「夢の中ですよ」

「えっ」

俺は愕然とした。だって痛みも、風も、匂いも感じていて、目の前の瀬川さんとも話せているからとても夢とは思えなかったからだ。

すると瀬川さんは俺の心を察したのか、こんな事を口にした。

「正確にいうと、霧野君が知っている"夢"とはまた別のものです。

"夢現症候群むげんしょうこうぐん"って知っていますか?」

夢現症候群、、、あっ、今朝のネットニュースでの特集であったやつだ!

「ああ、ニュースで聞いたことがある。確か事あるごとに夢の世界に引っ張られて、そこでのミッションをクリアしなければ治らないと言われている奇病だろう?」

すると瀬川さんは、

「はい、それです。私は中3の春休みに夢現症候群になって、今日奇跡的に現実に一時的に帰って来れたんです。」

「でも、夢現症候群って確か同じ夢に二人は入れないはずじゃ、、」

「ええ、しかし今ここにいるということは、あの事故の衝撃で何か不思議なことが起きて、私の夢に入ってしまったのでしょう。」

「なら俺も、ミッションをクリアしないと、完全には治らないわけだね。」

「ええ、そういう事でしょう。」

「ちなみに聞きたいんだけど、この世界のミッションってなんなんだ?」

「それは、この世界にある8つの要塞を制圧して、この"夢"そのものである魔王を討伐することです。」

「成程、因みにこの世界では魔法やレベルという概念は存在するのか?」

「ええ、そこはRPGゲームと同じで、存在します。教会で個人のジョブも確認できます。固有スキルも決まっています。」

「なるほど、そこで提案なんだが俺と協力してミッションクリアを目指さないか?」

と俺が聞くと、

「ええ、もちろんです。よろしくお願いしますね?霧野さん」

「クラスメイトなんだし、蒼でいいよ。」

「分かりました、蒼さん。私のことは紅って呼んでください!」

「分かったよ。よろしくね、紅さん」

「では蒼さん、まず教会に行ってジョブと固有スキル、あとはステータスを確認しましょう!」

こうして、俺のドタバタな物語が幕を開けた。

こんな中、俺は魔法を早く使ってみたいなぁとそんな呑気なことを考えていた。

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