第16日目 2月16日

 いつも同じ時間帯に同じ席に着くあの子。思い切って声かけてみようかな。

「あの、いつもいますよね。今度いっしょに勉強しませんか」

「あ、はい」

「明日とか?」

「いいですよ。じゃあ明日」

 それ以来あの子は来なくなった。話しかけたからかな。声なんてかけなきゃよかった。


ーーーー 転換 ーーーー


 せっかく声かけてくれたのに図書館に行けない。

 目が覚めたら吸血鬼になってた。モデルみたいな見た目になっちゃったし。夜にしか活動できないし。

 両親は134歳だった。百歳すぎて昼も活動できるようになったって。ここから百年か。もう会えないじゃん。

 嬉しかったのにな。

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