第6日目 1月22日

 地域の歴史資料に、ここで若くして命を落とした人の名がある。

 わたしは彼を知っている。

 だって彼はわたしを守って亡くなったのだから。

 わたしだけがまだここで生きている。

 あれから数百年が経った。五百年を超えて数えるのをやめた。

 「いてふ」

 と彼は呼んでくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る