第24話
バカ女の船を彼女達に任せたらボイラー室から船底の更に下へ続く隠し扉を発見、そこに何十人もの男が鎖に繋がれていた。栄養状態が良くなかったのか半分以上は陸に上がってから息絶えた。残ったのは14人。
で、問題が転生してから初めての同性との邂逅。だが、俺は奴らを救わなきゃ良かったと心底思った。
「おい!飯はまだか!」
「こんなんじゃ足りねぇよ!もっと持って来い!」
「牛や羊潰してでも俺らに食わせろ!」
「何勝手に子供作ってんだよ!俺らの食い物が減るじゃねぇか!!」
「本当にヤることしか頭にねぇ無能共め!」
俺はこんな奴らと同性であるのが恥ずかしい。救ってもらったのにこの態度。自分らで勝手に罠にハマった癖に。何よりも俺の子供達に怒鳴り散らしていることが1番許せん。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、絶対に殺す!
俺は近くにあった手頃な材木を手に奴らの元へ歩き出した。だが、都市の女達が身体を張って俺を止める。
「離せ、よ…!」
「ダンナ、勘弁してくれ。」
「あたしらには、ダンナも大事だがあの人らも大事なんだよ。」
「すまないねぇ、本当にすまないねぇ、ダンナ」
「ダンナがすることに我慢を強いるなんてダメなことは分かってるんだよ。ただ、あたしらは昔から男には逆らえないのさ。」
「…くそっ!なら、せめて子供達だけでも!」
その時、
「きゃ!」パリン!
「!!」
「女なんてポコポコ増えるだけで何にも意味がねぇのによぉ、なんで俺らの食い物をこんなちいせぇのに奪われなきゃいけないんだよ!こんな奴!!」
「や、やめろ!!」
「こうしてやる!おら!おら!」
「い、いだい!た、たすけておとーしゃん!」
「なぁにが"おとーしゃん"だ!ボケェ!」
「俺らは男だから何をやっても許されるんだよ!ひひひ」
酒に酔った男数人が俺の娘をリンチし始めた。
「お前ら!さっさとこの手を離せ!!俺の娘が!」
「…」
「おら!死ね!」
「くそっくそくそくそくそ!離せ!離せよ!お前ら!あ、ああ」
そして、ボロボロにされた娘を男達は生きたまま火を着けた。声にならない声を上げながら折られた腕を必死に俺に伸ばし助けを求める娘、エイシャ。
男達はその光景を酒を飲み交わしながら歌って踊って大笑いし、まるで宴の演し物を眺めているような…
俺はまた、何も出来ずに愛する者を救えず守れずに奪われた。
俺は檻に入れられ、檻の外で子供達が死に行く姿を見させられ愛した女達を奪われる過程を見させられ、そして…
ドボン!ブクブク…
俺は檻ごと海深くに沈められた。もう、嫌だ…
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