第四章 占いを信じる男

 ジミーの件から数年が経ち、俺は変わらずお店の経営とスターを目指し日々精進する。

 ありがたいことに、お店は継続しているのですが、もう一つの夢であるスターにはなれず伸び悩んでいた。

 そして、今の時代は、テレビよりもYouTubeを観る時代になった。

 スターへの第一歩として、俺も流行に乗っかろうと、YouTuberを目指し撮影をしてYouTubeに投稿する。

 そしたらなんと!

 視聴回数0なのに、低評価1がついた・・・

 基本、視聴してくださり評価をつけるのですが、視聴せずサムネールだけでみて低評価押されていた。

 YouTubeに投稿するのも、撮影、動画編集と作業が大変で、ヒットすると何億と稼げるのですが、俺にはヒットする気がしなかった。

 更に、この先YouTubeも規制が段々と厳しくなりYouTubeも難しくなると思った。

 今度はライブ配信サイトで、ライブ配信をして知名度を上げようとしたのだが、これもまた厳しい世界で挫折してしまう。

 変わらず、ミュージシャンとしても活動していて、今では詩曲できるまでになりミュージシャンとしてもファンはできたのですが、なにか違う気がしてきたのであった。

 この頃ふと、俺は思った。

 あるタレントさんをみて、場を盛り上げ、空気を読み、バラエティ番組には必要不可欠なタレントさん・・・

 だが、この方のソロのライブがあると観に行くかといわれたら行かない。

 俺は、そんなタイプでないのかと。

 そんなことを思っていたところ、秋田町にめっちゃ占いが当たるというラウンジのママさんがいると聞いた。

 そのママさんは、真由ママというらしい。

 実は、俺は占い、風水を信じていて、占いで右を向けいわれたら、右を向くのである。

 伸び悩んでいた俺は、真由ママのところへ相談にいく。


『いらっしゃいませ』

「あのすみません、占っていただけると聞きまして・・・」

『これは、龍司さん、噂は聞いていますよ。どうぞこちらへ』


 秋田町の街ってのは、すぐに噂が広まる街で真由ママのところまで俺の噂が入っていた。

 席に案内され座ると早速、


『う~ん、お店の方は継続して頑張りなさい』

「お店、大丈夫ですか?」

『あなたは、この商売があっているよ』

「ほんとですか?ありがとうございます」


 更に、もっとお店を良くするためにアドバイスをいただいた。


『後なんか、聞きたいことある?』

「俺、スターになれますかね?」

『十分に秋田町のスターですよ』

「そうでなくて・・・芸能人みたいなスターにですよ」


 俺が真剣に聞くと、


『残念ながら、スターにはなれません。気持ちは分かります。あなたはステージの中心でいたいと』

『けど、それより誰かが何かをしている横でパフォーマンスをする方があなたは引き立ちます』

「人の褌で相撲とるってことですね?」

『うまい!けどその相撲をなかなか取れないから凄いことよ』

『特にやけれども、あなたは裏方の役があっている。プロデュース側とかもいいかもね』

「ほな、スターではなく、秋田町の秋元康さん目指しましょうか?」


 俺が笑いながらいうと、


『いいかもね!あ、あなたのSNSみているけど、文章書くのがうまいから小説でも書いてみたらどうよ』

『だけど、あなたの好きな任侠小説は今の時代、流行らないからだめよっ!』


 そう真由ママは笑いながら言う。


「え!?俺が書くのなら任侠ものしかありませんが・・・」


 真由ママには、俺のことがお見通しであった。

 占ってもらう前に俺が思っていたことを、言われたのでなぜか分からないが安心した。

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