見よ、街が赤く燃えている

 てんはがお友達と、わたしの勤め先の塾にやってきて自主勉強をしている。

 お友達はうちの生徒だし、てんはも外部受講生で入試対策講座を受けているので自習室を使うのは何の問題もない。


 さて、授業の合間に、どんな勉強をしているのかと覗きに行ったら、二人顔を見合わせてちょっと困惑している。


「どしたん?」

「この単語……」


 お友達が指さしたのは英語のburnという単語。


「あぁ、燃やす、だねぇ」


 答えたら、二人が「え、それじゃ……」と言っているので英文を見てみた。


 The king will burn the city.


 その王はその街を燃やすだろう。


「なかなか過激な王様やな」

 とコメントしたら二人、大笑いした。


 高台の王城から燃える街を見下ろす独裁王。絵になりそうだが未来はなさそうだなーなどと思いながら授業に戻るのであった。

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