第21話 アイエエエエ! NINJA!? NINJAナンデ!?②

――――――――――

色欲の醜兎(E)を倒しました。

経験値を獲得しました。

ジョブ『忍者』がレベルアップしました。

ジョブ『見習い魔法使い』がレベルアップしました。

ジョブ『見習い魔法使い』のランクが上がりました。

ジョブ『見習い魔法使い』が上限ランク『Ⅹ』に到達しました。

ジョブ『魔法使い』を獲得しました。

ジョブ『見習いNINJA』を獲得しました。

――――――――――


「は?」

「サグルさん? どうかしましたか?」

「……いや、なんでもない」

「……そうですか。なんでもないならいいんですが」


 Eランクダンジョンに潜り始めてしばらく経った後、モンスターを倒すと、セカンドジョブに設定していた『見習い魔法使い』のランクがⅩに上がった。

 そして、『魔法使い』のジョブを手に入れた。

 ここまではいい。

 そのうち上がるだろうと思っていたし、ランクがⅩになると見習いが取れるという話はヘルプにのっていたから知っていた。


 だが、一緒に手に入った『見習いNINJA』ってのはなんだ?

 『忍者』とは違うのか?


(もしかして、ジャパニメーション的なNINJAのことか? ドーモ、モンスター=サン。あなたを倒しに来たものDeath。とかやれってことか?)


 もはや、海外では忍者といえば、魔法を使ったり、空を飛んだりするのが当たり前らしい。

 世界最強の一角に数えられている。

 そういったNINJAが忍者と分けられているのかもしれない。


(やっぱり、ファンタジー忍者っぽいな)


 俺は試しにセカンドジョブに『見習いNINJA』をセットしてみると、頭の中にスキルが流れ込んでくる。

 スキルの中には『火遁』とか『土遁』とか魔法っぽいものも含まれていた。


(となると、このジョブを得たのは見習い魔法使いをカンストさせたのが原因か?)


 忍者は物理職だった。

 壁を走ったり、気配を消したりはできたが、斬撃は飛ばなかったし、火を吹いたり、式神を召喚したりはできなかった。

 レベルをあげればそういうスキルも出てくるのかもしれないが今のところ魔法っぽいスキルはない。

 だが、この『見習いNINJA』は明らかに魔法っぽい技が含まれている。

 物理魔法両方の特性を持ったジョブなんだろう。


 物理職の忍者を持っていて、魔法職の『見習い魔法使い』をカンストさせたから出てきたジョブなんじゃないかと思う。


(どっちにせよ、セカンドジョブは『見習いNINJA』一択だな)


 今までセカンドジョブは使ってこなかった。

 いわば育成枠だ。


 戦闘は『忍者』のジョブだけで事足りてたからな。


 それなら、強いと思われる『魔法使い』より、成長性の期待できる『見習いNINJA』の方を選択する方がいいだろう。

 何より、火遁とか土遁とか、ロマンがあるしな。


 俺はセカンドジョブに『見習いNINJA』をセットした。


(火魔法とかはセカンドジョブを隠してるから使えないけど、火遁とかは忍者でも使えそうだから、使っていってもいいかもな)


 京子にはセカンドジョブについて話していない。

 最初に話さなかったので、話すタイミングを見失ってしまった感じだ。


 だから、いきなり魔法を使うと驚かせてしまうと思い、使っていなかった。

 だが、忍法の火遁とかなら使っても大丈夫な気がする。

 なんか、忍者なら使えそうだし。


「よし」

「終わりましたか?」

「あぁ、お待たせ」


 京子は俺が色々するのを黙って待ってくれていた。

 京子は本当に嬉しそうに俺に近づいてくる。


「あ、サグルさん。手のところ、怪我してますね」

「え? どこだ?」

「ここです」


 京子のいう通り、左手の甲に擦りむいたような傷ができていた。

 さっきのモンスターの攻撃をいなした時についたのだろう。

 ここのモンスターは兎型なので、感知能力が高く、見つかったら結構高速で攻撃してくる。

 攻撃を受けた場合、後ろに京子もいるので、避けるわけにもいかず、いなしている。

 それほどのダメージもないので、受けてもいいのだが、いなして体勢を崩しておけば次の自分の攻撃が当てやすくなるから、大体はいなす。

 だが、たまに失敗して小さな傷ができることになる。


「これくらいのかすり傷ならすぐ治るだろ」

「ちょっとこちらに手を出してみてもらっていいですか?」

「? いいぞ」


 俺は傷のある左手を京子の方に差し出す。


「癒やせ。『回復ヒール』」

「おぉ!」


 京子が呪文を唱えると、淡い緑色の光の粒が舞う。

 そして、その光の粒が俺の傷口に集まっていき、光が消え去ると傷は綺麗さっぱり消えていた。


「ジョブランクがⅤになったのか! おめでとう!」

「はい! これもサグルさんのおかげです! でもあんまり驚いてくれないんですね」

「いや、驚いてる驚いてる」


 本当に驚いている。

 確か、ランクⅤになるには一ヶ月以上かかるという話だったが、二日目になってしまうとは。

 ただ、俺の見習い魔法使いがカンストしてしまったので、そっちで先に驚いてしまったから、ちょっと気を抜いてただけだ。


「じゃあ、俺も披露しないとな」

「え?」


 俺は自慢げに京子から少し離れた。




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NINJAのジョブを発生させてみました。

忍者は特殊職なので、特殊な派生ジョブになります。

ちなみに、忍者×戦士で避けタンク特化の『お庭番』、忍者×商人で隠密特化の『シノビ』に派生させていく予定でした。

一番面白そうなのがNINJAだったので、セカンドジョブに魔法使いを選ばせた感じです。

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