　男は窓際族だ。

　同期で入社したメンバーで、今も会社にいるのは部長や次長など、責任ある立場ばかりだ。

　もう職場の飲み会にも行くことはない。行けば劣等感で禿げ上がるほどストレスを抱え込むことになるだろう。

　同期たちは「たまには顔を見せろ」と言うが、そのわりにはなんの連絡も寄越さない。

　人生というレースに完全に置いていかれたのだ。今から死に物狂いで走り出したって、もう手遅れなのは男が一番分かっていた。

　街を車で走る時間だけが、彼に人生を忘れさせることができた。

　ふと歩道を見る。

　通学途中の女子小学生のグループだ。

　そのグループから、少し遅れて歩いている子が目に入る。

　男は思わずそばを並走して、

「お前、何やっとんじゃ」

　と檄を飛ばした。

　その少女が、まるで出来損ないの自分自身のように男の目に映っていた。

〜〜〜

※以下、「日本不審者情報センター」より引用

（広島）東広島市西条町郷曽で暴言　１月３１日朝

https://nordot.app/993412430154432512?c=134733695793120758

広島県警によると、１月３１日午前７時２０分ごろ、東広島市西条町郷曽で女子小学生への暴言が発生しました。（実行者の特徴：中年男性、黒色自動車）

■実行者の言動や状況 

・車の中から、集団登校途中にグループから遅れていた女児を怒鳴った。

 ・「お前、何やっとんじゃ」

■現場付近の施設 

・郷田小学校

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