たとえ、消えてしまうとしても。

@sandora1122

プロローグ

もう、嫌なんだよ。


私がいないほうが上手く回る世界が、

それをわかっている自分さえ、もう嫌だ。


ごめんね、ごめんなさい。

本当に、自分勝手で。

本当に、本当に、汚くて。


もう、楽になりたいんだ。だから、


...止めないでね。


あなたはきっと、私なんて居なくても、

きっと。きっと大丈夫だから。



頬を伝う涙を噛みしめた。

どうして泣いているのかさえ、わからなかった。



「トワ...?だめ、やめて!?」


セツナ。来ないで、危ないでしょ。



キィィィィィィィィィィィィィ....



ブレーキ音が、閑静な夜の街に鳴り響く。



あはは、だめだよ。

車は、急には、止まれないんだから。



「トワっ!!」



ドンッ!





え...?



痛く......


私、確かにトラックに轢かれて...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る