第16話『春の薄さ』

水道の今朝のしずくに乗る記憶夕べに流れ心迂回す


通勤はスキルアップの場と変化して車窓の季節ヘッドホンに消え


療舎より帰えれば兄の手助けと商店経営を読まんと手に取る


思惑が遠く外れて花も無しケーキの薄さが春の薄さ


ミルク飲み早春の朝背伸びする四か月目の人類となる


針つきのバラを贈るということは察しなさいとラインを送る

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