ヒロインは何故主人公を好きになるのか?

 瀬名が何故家康に惹かれたのかが、いまいちわかりません。正直弱いと思います。

それは四話で登場したお市にも当てはまります。

 お市が家康を好きなのは幼い頃に助けられたからという理由です。ですが、作中のお市のキャラクター造形からすれば、情けない家康に惚れたままでいるでしょうか?男でないと活躍できない事も無いでしょう。


 どんな相手に嫁ぐにしても、その者の持っている武力を自分が操って、国を動かす事ぐらいできます。強さや、それに憧れを持つキャラクター造形にするなら、それぐらいの狡猾さを持ち併せているべきです。ましてや信長のそばで、尾張が繁栄しているのを見ていたのなら、繁栄がたんなる個人の力によってもたらされるものではないと当然理解するはずです。


 鉄砲などの火器。軍隊やその運用方法、経済。あらゆるもので戦えますし、総動員して戦わなければ勝てません。強さとは、単なる個人の武力ではないと思い至るはずなのです。

 ですが、本作のお市はそんな事は考えません。幼い頃に助けられた記憶からずっと好きですし、タイマンしてそこそこ強かったから、やっぱり好きなのです。これでは好きの根拠が弱いように思えます。

 そんなことならいっそ、例えば情けない家康の姿を見て、操りやすそうだ、利用する為に嫁いでやろうといったふうに考えた方が自然な気がします。そこまでキャラを振ればと言う事ですが……

 本作でお市の考えている強さとはおそらくどこまでも、タイマンの強さでしかなく、そして同時に、相手に思い人が居る事が分かれば引き下がる、そんな大人しい強さなのです。

 それならばいっそ、好きな人を手に入れる為に、あらゆる手段を用いる。そんな狂気じみた愛を表現して欲しかったです。

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