第8話 『シラサギの回覧板』

「夏が終わりました」と、『回覧板』が回ってきた

このご時世、紙の回覧板とはね


『回覧板』を持ってきたのは、夏の代表の「シラサギ」と、これまた秋の代表の「ムクドリ」

シラサギが言った


「すでにご存じかと思いますが、昨日、夏が終わりました」

ムクドリが続けて


「今日より、秋になりますので、よろしくお願いいたします。」


「シラサギさん、ムクドリさん、おはよう。ところで我が家の門でたたずんでいる方は?」


「さすがに、お目が速い、あれは、冬代表の『うさぎ』です、さらに、来年の夏、秋と、既に、いまか、いまかとまっています」


「・・・何人いるの?」


「それは聞かないほうよろしいかと」


確かに聞かないほうがいいという雰囲気が充満した



『回覧板』には夏の電気消費量と汗の重さが書かれていた。


注意書きには

「汗」は夏の暑さによる「汗」と会社などでの「冷や汗」の合計です、と書かれていた


理にかなった、立派な『回覧板』だ



『回覧板』の秋のページに行くと


「すでに、言葉は使い切りました。多くのことが、全て、語り尽くされました」


と、1行だけ


実に、理にかなった、立派な『回覧板』だ

文句のつけようがない

なにしろ、『全て、語り尽くされました』だから


昼寝することにした

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