29 惜しい(ちなみにこの通信プロトコルには回数制限があります。残り2回)



「ちょちょちょ待って、タンマタンマ、いまのなし、いまのなしぢゃから。名前だよな、うん、名前。当てればいーのであろ。名前当てクイズな? わたしは誰でしょう、な? こどもがやるやつな? それは公園にあるものですか? みたいに訊けばいいのかや、それともそっちからゆってくスタイルだったか? ヤ、ちがう、ちがうから。これは質問じゃないぞ、こんなンで貴重な二回のうち一回を使うつもりはない。ヒトリゴトだ。わらわ、ホラッ、魔界からでてきたばっかで地上におともだちとかいないし、城を訪れてくれる客とかもおらんくてわりとヒマしてることが多いからヒトリゴトとかよくゆーの。わかるでしょ? つーか、わかってつかあさい。だからわかってるってば。名前は大事ズラ。名前を呼ぶことで相手を縛ることができるとかそーゆーやつであろ。だいたいこーゆーのはこれまでのわらわの行動の中に正解があったりするわけぢゃよ、だもんでここでフラッシュバックでモンタージュして、回想シーンが始まって、総集編が挿まって、たっぷり時間稼ぎが行われてから、正解はCMのあと、みたいにさらなる引き延ばしにうんざりするってのがお約束になってるンぢゃけえ、勝手にそうなったりしないかな……シマセンヨネー。はいはい、べつのセオリーによれば、ここででてくる名前ってのは意外な名前でなければならない、意外だけど聞けば納得、みたいなやつネ。そーゆー観点からゆーとだ、まったく聞き憶えのない名前は排除できるとして、イヤ、わかんない。ホント、わかんない。てゆーか、キョーミない。ショージキ、名前なんてどーでもいくない? わらわが見て、わかってあげている、それだけで満足シローヨ。おまえがなんであったとしても愛してやるってゆってんだぜ? あ、そーか、も一個だけありがちなパターンが残ってたナ――わらわ自身。真の敵とはわらわぢゃったー、ががーん、みたいなのもあンな、うん、あるある、でもわらわ名前持っとらんし。ほんとーにどーしろ、と? ヒントじゃなくて、こたえをくれよ。けちけちしないでさー」


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