第11話 『この技、無料です』

よく知られた寓話なのですが紹介します。


ある旅人がある町に入ったところ、二人の男がレンガを積んでいました。

ひとりは、満足げにレンガを積み、もう一人はいやいや積んでいるというのが見え見えでした。

旅人がひとりの男性にききました。

「何をしているんですか?」

「今、学校を作るためにレンガを積んでいます。早く学校ができればいいなと思いながらレンガを積んでいます。」


もう片方の男性も同じ質問をしたところ

「今、とんでもなく、つまらないレンガを積んでいるところだ。さっさと帰ってねたい。」


同じ、「レンガを積む」という作業なのに、気持ちの上では二人の男には大きな隔たりがあります。

ことは単純ではありませんが、実生活でも「この仕事、作業がなんのためにやっているのか」を考えながらやると、気持ちよく仕事ができます。


実は、「仕事の目的を知っている」と思わぬ利点があります。

もし、何も分からずに、無目的に働いていては見えない無駄や効率化が見えてきます。

例えば、学校のレンガを積むときに、学校にしては華美な金箔がぬってあるレンガを使っていたとします。

無目的に働いている人は、指示されたとおりにレンガを積むだけです。

しかし、「学校のためのレンガ」ということが分かると、あまりに華美すぎませんか、と指示者に疑問を呈することができます。

それがきっかきに、見直されるかもしれません。



簡単な技で、しかも無料です。


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