第12話 王女ルナの恋 ⑪



 少年は仲間内では、ルーク・スカイウォーカーを名乗っていた。

 もちろん本当の名前ではない。

 「スターウォーズ」の大ファンで、スカイウォーカーにあこがれ、そう名のっていた。 

 彼は一緒に家出してきた少年と、いつも一緒にいた。

 そしてその少年は、仲間からはレイア姫と呼ばれていた。

 男なのだが、女性のように美しい少年で、女と間違われることも多かった。

 少年はルークよりも年下で、本来なら学年が違うはずだったのだが、知能指数が高かったことから、飛び級でルークのクラスに編入され、ふたりは出会った。

 ルークは少年の美しさと聡明さに心を奪われ、少年は彼を上級生の暴力から護ってくれる、ルークの強さと優しさに惹かれた。しかしふたりの恋を、こころよく思わない者たちも多かった。

 結局ふたりは、着の身着のままで家出し、最終的にこのクラブに辿り着いたのだった。

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